とみやま

ドミノのとみやまのネタバレレビュー・内容・結末

ドミノ(2023年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

深いことを語ってくれたり、深いことを考えるきっかけになった素敵な映画もあれど、軽ーい気持ちで、なんとなーく見に行ったら最高すぎて「おお!!!!!」とワクワクして心が鷲掴みにされる映画だってある。この映画はまさにそれ。期待せずになんとなーく見に行った。心に残るものは無いけど最高。超面白かったのに、わりと他のレビューが冷めているので、「え、みんな…うそ…自分だけ…?」とひとり置いてきぼりを食らっている気分。

そもそも上映時間が最高。94分って。手際が良く全部セリフで説明される。それってどうなの?と思うとこだけど、設定が複雑なので文句ないし、なんならありがたい。
あと、余計な葛藤がない。疑問が生まれたら、30秒後に答えを教えてくれて、次の展開が始まる。それもどうよ?と思うとこだけど、展開が予想できなくて面白いから、文句ないし、なんならこれもありがたい。話が早くて助かる。
それに、ラストもスッキリしてて最高。深いことは全く無く、スッキリさっぱり終わるので、これでよし!!ってなる。これまたどうよ?と思うのだけど、かえって深いこと言われても困る映画なのことは確か。「愛の力」でどうにでもなるとは思えないが、どうにかしてしまったので仕方がない。あと、どうやらエンドクレジット後に、なにかしらシーンが入ってるらしいけど、先に帰ってしまったので知らない。でも満足してるから、もういいや、という気持ち。ソフト化かネトフリに入ったら観ればいいし。

それに、途中のどんでん返しも「ええええ!」と結構仰天させてくれた。あの書き割りみたいなBANK。最高。「うわー!あの時のあれかー!!」って、ものの見事に驚いた。見えているものが見えていなくて、見えていないものが見え始める、みたいな、自分の意思ではどうにもならないシーンの見せ方にワクワクしっぱなしだった。

てな感じで、色々書いたけど、家に帰ってちょっと考えてみたら「あの展開、さすがに安っぽすぎやしないか?」とか、「ドミノのためとはいえ、もっと楽な方法あるだろ」とか思わなくもない。それどころか「催眠術とか謎の機関とか見てる時はワクワクしたけど、後から考えると、割とどうしようもねえな」という気もしてきた。あれ?そんなはずでは…、とか思い始めてきた。明日の朝になったら、本当に大したことねえな、となっていそうで怖いすらある。
この映画、設定が複雑な割に雑なところも多々あるので、割と心に残らなそうですらある。それでも超楽しんでしまったので仕方がない。2年に1回のペースなら、割と新鮮な気持ちで「この映画おもしれー」とか言って楽しめそう。ベン・アフレックが映画を引っ張ってくれているのは確か。
とみやま

とみやま