へたれ

窓ぎわのトットちゃんのへたれのレビュー・感想・評価

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
4.0
良かったとこ1 戦前・戦中描写の徹底ぶり
時代考証がしっかりしていて、タイムトリップしている感覚が味わえる。しかもそれをストーリーの背景に過ぎないと言わんばかりのさりげなさで描写しており、いわゆる説明セリフ的なものはほとんどなかった。当時の時代描写としてすぐに気づくのは以下のような点
・日本に在住していたユダヤ人指揮者(ローゼンシュトック)
・喫茶店で流れる「一杯のコーヒーから」のレコード
・銀座4丁目にあったキンタロウ玩具店
・外食券食堂とそこで流れている「海ゆかば」
・駅のキップ切りのおじさんがいつの間にか婦人に交代している

良かったとこ2 シリアスなメッセージをスマートに伝える
描かれているテーマは、ダイバーシティの尊重や子供の創造性を伸ばす教育方針など、現代にも通じるテーマに重きが置かれているけれど、説教臭くならないのは手際の良さのおかげ。
さらに、反戦メッセージを直接言う代わりに、子供であるトットちゃんがペットや親しい人の死を通じて戦争による犠牲者たちに目を向けられるようになっていくというイメージの重ね合わせは、想像以上にスマートに行われていた。
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