スカポンタンバイク

アイドルマスター シャイニーカラーズ 第3章のスカポンタンバイクのレビュー・感想・評価

3.0
おそらくファンのみんなは、最後の1st Liveで擁護的になるんでしょうが、そこまで制作陣を甘やかす気にはなれない。最後の2〜30分で5,700円を善しとできると思ったら大間違いです。(勿論、こうなるとある程度わかって劇場に行ってるわけですから、結局の所は行った私が悪いのですがね。)

◯端的な感想
全3章を観終えた感想としては、最後のライブを長尺にして、近年のうたプリやアイナナのようにライブ映画にしてしまえば良かったんじゃないかなぁというのが一番に思った事ですね。グラはちゃんと作っているんだから、そうした方が毒にも薬にもならない話を12話ダラダラやるより絶対良いと思いました。最後のMCパートだって、そう割り切れば全員に話す場を与えられたし。
というわけで、これの続編として2期をやるのではなく、次はいきなり全員集合からのライブ映画にしてくれた方が大変期待できます。ストレイライトは好きなので、アニメになる事自体には賛成です。

◯良い所
これは前章でも言い続けてる事ではありますが、3DCGの出来は凄く良いです。流石に2Dじゃがいもから3Dじゃがいもを持ち上げるシーンには難があるなとは思いましたが、基本的にアクションは安心して観ていられるものだったなぁと思います(グラ以外の、動きとかカメラワークとかには言いたい事ばかりですが。)。
そしてまぁ、なんだかんだ言ってもライブシーンは熱いものがありますよ。歌って踊る放クラは、やっぱり良いですよねぇ。
ただ、再放送にならないようにしたいのは分かりますが、歌唱中の別場面切り替えの多様と歌唱の部分カットはノイズでしたね。ライブとして観せたいのなら、もう再放送になるのは割り切って、全部通しでやった方が良かったと思います。もっと歌唱シーンを観たかった。

◯モヤモヤ1:シャイニーカラーズとしての団結の希薄さ
第3章では、283プロの4ユニット合同ライブに向けた練習風景と本番が描かれるわけですが、この4グループの団結がイマイチ伝わってこない。実質の第8話から突貫工事のごとくグループ間交流を入れてきたという杜撰さが要因である事は確かなのですが、結局の所、全ての話でグループレベルのやり取りしかなく、個人の話に全然フォーカスしていかない事が一番悪いんじゃないかなぁと思います。例えば、第3章だと真乃が甜花とダンスの練習を一緒にするという絵面が一瞬ありますが、それは絵面だけで終わってしまって、具体的に甜花がどう悩んで苦労していて、それを解決するのが真乃である必然性は何なのかとか、いかにして解決できたのかといった描写の深掘りが全然足りてないんです。とにかく合同感のある絵面だけを順番に流していって、雰囲気「仲良さげ」以上の深まりがない。かろうじて、「カレーを一緒に作って食べれば仲良し」という定番ガジェットが乗っているくらい。結局これも、定番ガジェットと言ったように、定番以上の事は何もない。
グループレベルという話を拡げると、今作ではダサい上にしつこいくらいグループユニットのロゴがメンバー登場の度に映されます。これだけでも中々に不快ではあるのですが、このアニメってグループの垣根を超えて個人的に仲良しみたいなのがアニメの作り方からして希薄で、ロゴに象徴されるようにグループごとに敷居があるみたいな風通しの悪さが凄くある。前述したカレーの話にも言えて、カレーを食べるってなった時にグループごとに席に着いてるんですよね。それ自体は「グループで仲が良いんだから、一緒にいたいのは普通」という反論もあるとは思うのですが、ストーリーとしては「シャイニーカラーズ」としての団結のための合宿なのであって、こんなに綺麗に分かれてしまったら個人レベルでのコミュニティが拡がらないじゃないですか。そこはなんとなく仲良しで流していい所ではないだろ、と観ている間はずっと思っていました。

◯モヤモヤ2:真乃がセンターである意義とは?
第2章でシャイニーカラーズのセンターに抜擢された真乃。きっと第3章では、「なぜ真乃なのか?」「真乃が見せる特異なアイドル性とは何なのか?」という事が明かされるのだと、いう事は全く期待していなかったわけですが、期待通り無かったので悲しくなりました。ホント、雰囲気で流し過ぎな!このアニメ。
周りのみんなも真乃で決まった事に異論なしで、プロデューサーを絶対信じるマンしかいない(ここに冬優子がいたら、大分違ったんじゃないだろうか。)。
また特異性って所だと、アンティーカのみんなが真乃の歌にホッと見入っちゃうというシーンがあるわけですが(というかそれしかないわけですが、)、真乃の歌が上手いというのは第一話の時点でプロデューサーが勘づいた要素であって、アイドルになってから見出された魅力ではないんじゃないだろうか?まぁそこの前後関係が逆であったとしても、「歌が上手いからセンター」なんていう学芸会レベルのプロデューサー判断なのだとしたら、筆者は承服しかねます。

◯モヤモヤ3:外出先での歌詞参照
第10話だったかな。イルミネの3人が「Spread the Wings!!」のA4歌詞用紙を持って口ずさむというシーンがあったのですが。まぁ口ずさむのはいいですよ。歌詞用紙は流石に社外秘なんじゃないでしょうか。
細かい所だし、無関係な事と関連づけるのは良くない事なのは分かっているのですが、シャニマスで情報漏洩関連はちょっと笑えないなぁと思ってしまいましたね。

◯まとめ
そろそろ辞めないと、ご飯が食べられないのでこれくらいに。気が向いたら後で追記します。
まぁ、満足度がかなり低い三部作でしたね。4月のテレビ放送でブラッシュアップされるものなのか分からないのですが、できる事ならやってほしいですね。内容は変えられないにしても、ダサいフォントとエンディングのインスト流しとぶつ切りだけでもなんとかしてほしいです。よろしくお願いします。
願わくば、黒板がスライドしてほしいなぁ。


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※追記1:筆者が受けたシャニマス印象
筆者は今回のアニメでシャニマスデビューを果たし、現在流れでシャニソンをやっているという、典型的な販促に乗っかった人間です。
そういう人間がシャニマスから受けた印象としては、かなり雰囲気でのゴリ押しが強いシリーズだなぁという事。それはグラフィックでの世界観の表現力が他4ブランドと比べて強いというのが1つ起因してるのかなぁと思っており、ガシャ更新で流れてくるイラスト1つとっても美麗なものが大変多いなぁと思っています。ただ、そこにかなり過信してる感じが強く、物語のディテールみたいなのはアニメでもゲームでもあんまりよく分からない、または薄いと思う事が多い。良く言えば解釈の余地が多いと言えなくもないのですが。
シャニソンの話になってしまうのですが。
特にノクチルは未だにピンと来ていないんですよね。4人の関係も、プロデューサーにやたらギスギスするのも、アイドルのモチベーションも、本当によく分からない。w
モチベーションって所だと、斑鳩ルカは本当に分からない。とにかくディテールが無さすぎて、掴みどころが無さすぎる。
enza版?というのはやれていないので、そっちをやったら印象も変わるんですかね?流石に時間ないなぁ...。

※追記2:てきとー疑問コーナー
・第9話で花火大会に行きたいって話題があったと思うんですけど、あれって行けなかった理由ってあったんでしたっけ?
・そんなにみんなで集合写真のように集まって、空を見上げなくてもいいんじゃないですかね。あれは何を共有して物思いにふけっているのでしょうか?(ちょっと怖いなぁと思いました。)