鈴峰らんか

日本統一外伝~山崎一門7~の鈴峰らんかのレビュー・感想・評価

日本統一外伝~山崎一門7~(2023年製作の映画)
2.8
山崎一門の若手イケメン枠、謙勇会理事長・山村義明(川﨑健太)を主人公に据えた『日本統一』スピンオフ第7弾。中学生の時に恋したあきこ(奥山かずさ)が忘れられない山村。偶然、彼女が働く喫茶店で再会するが、喜んだのもつかの間、同じ山崎一門の侠和会直参四代目山崎組組長・坂口丈治(北代高士)と、山崎組若頭補佐謙勇会会長・石沢勇将(本田広登)が恋のライバルとして立ちはだかる!

今作の最大の見どころは、定例会という名目でどーーみても女子会やってる山崎一門の面々。コワモテが集まっているだけでも迫力があるのに、ドーナツを頬張ったり、わたあめ作ってたり、情報量が多い。これがカワイイの暴力か…。誰が大量のクリスピークリームドーナツ買いに行ったんだろう。想像するだけでカワイイから川上だといいな。早くみんなでドーナツ食べたくてブチ切れ鬼電してくる川上、カワイイ。

山崎一門それぞれの恋愛事情と恋愛スタンスがわかるのも、『日本統一』ファンにはたまらないところ。田村(山口祥行)は氷室(本宮泰風)よりも夢中になれる女がいないであろうことは、おおかたのファンの予想通りなのでは。
それに比べ、斉藤(勝矢)の達観した恋愛観は人間ができている証拠。あきこに気に入られたい一心で嘘をついてデートをする中島は本当に最低ヤローだが、『山崎一門4~日本統一外伝~』では女の子に対する博愛精神が垣間見えたので許すとしよう。

これは普段男ばかり、または女ばかりを撮っている監督にありがちだが、どうしても撮り慣れないほうの性別の登場人物が記号的になっていたのが残念。あきこは中学の頃からずっと彼氏がいるのに、彼氏とは全然違う理想のタイプを語ったり、中島とデートをしたりと矛盾の多いキャラクターになってしまっている。山村はじめ、一門のみんなに惚れられた理由も〝顔がかわいい〟以外に見当たらないのは、コメディにしても短絡的だと思う。
多少モヤっとするストーリー展開ではあるが、ラス立ちは体がキレる山村を中心にたっぷりとアクションが堪能出来て大満足。

『日本統一』はヤクザ映画の定石を外すことで人気を得てきた作品。どうせなら月9が裸足で逃げ出すほどのビッグラブストーリーを見せてほしかった!
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