Ginny

PERFECT DAYSのGinnyのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

寝ちゃった( ◠‿◠ )

淡々と日々を自分のペースで過ごす様子が『パターソン』みたいだなと最初感じました。

派手なことはなくとも、
ていねいな生活()をして、
日々の景色を愛しんで。
もちろん良いけど、そういうのが良いって今特別言うことなのか?と疑問。
けっこう前から言われてたことじゃないかと思うし自分自身その生き方を既にしてるつもりなので(←このスタンスの時点で平山の感じとは違うかもだけど)これが響くのはもしかして日頃かなり無理して生きているの?と少し心配になってしまった。

『アバウトタイム』を日本に落とし込むとこういう映画が出てくるのかなと見終わった後ふと思った。
毎日毎日2度と戻れないかけがえのない時間、瞬間を大切に生きる。

ちょっと昔、ある事件があって。
毎朝自転車で登校する女子学生が攫われそうになった。
それを阻止したのは、登校する女子学生と同じ時間に日々車で通勤していた他人の男性。
探しても未遂だったからか他の酷い事件がその後起きてるからか出てこなくて見つけられなかったけど。自分の曖昧な記憶だと、毎日すれ違うはずの女子学生がいないのを不思議に思っておかしいなと思ったから、クラクションならしたんだっけか。
自転車が倒されて、攫おうとした人の車の影にいたんじゃなかったっけ。
救った男性は、控えめな人っぽかった。
全部自分の記憶の印象で申し訳ない。。
このニュースを見た時、この男性みたいになりたいなと思った。
派手なことはなくとも、自分に悲観せず淡々と日々をこなして、周りのことを大切にしたいし人助けもしたい。

映画を見ていて引っかかったのは、
アヤちゃんが平山のほっぺにキスしたのとか、にこや妹とのハグですね。
あれはファンタジー過ぎるのでは。
日本社会においてはあんな風に触れないと思います。不自然でした。
村上春樹の小説思い出しちゃった。なんでどの女性も主人公のこと好きになって体許すの?んなわけないっつーの。
ラッキースケベみたいで引きました。
女性からのスキンシップを男性の自己肯定のために利用しないでほしいと思った。
欧米人からしたら自然なスキンシップの範疇かも知れないけれど、これを見て日本でもそういうのが普通と映画を見た海外の人たちに思われたり、この映画を見た男性がそう思い込んで夢見てしまったらやだなと思います。

スカイツリーの映し方、東京の街並みの風景、夕日の陽射し、静謐な朝の様子。
特に東京の街並みとスカイツリーは自分が東京を訪れた時に感じる高揚感が再現されていて好き。
捉え方、画角など好きでしたが、観念的な映像パートは苦手でした。

「こんなふうに生きていけたなら」というキャッチコピーにもモヤっとしてしまった。

いとうあさこが、イモトが結婚した時かな?その報を受けてファン(?)の方からあさこさんも幸せになれますように!って言われた時に、いや今も幸せなんですけど!?と思ったという話。
本当それ。結婚をせず恋人もいないことが不幸だと思われるのが引っかかる。
私は、人といる幸せよりも、人といる時に感じる不幸が嫌なので、二の足を踏む。特に自分の場合、価値観、倫理観、作品に対する感想などを大事にし、それが通じた瞬間、伝わる作品を見た時に1人で感動するのに対して、その不一致が本当にキツいので、大半の人とは気が合わないから心もひらけない。
言葉で説明して知ってもらうとか、共有し合うというのは私は望んでおらず、そもそもこういうのは1人の人間が、生きてきた中で自分で学び、影響を受けて自省して、吸収して、というものだと思うので、わかり合えないことを悟って諦める方がはやかった。

でも社会は第一にどうしてもやはり子孫繁栄を優先すべきだと思う。それ以外を排除するのは良くないとしてもそれ以外をもてはやすのは違うと思ってる。
だから自分が社会不適合者なのはわかってるし、忘れてはいけないと思ってる。
だからこそ、「こんなふうに生きていけたなら」って、おいおい。みんな辛くてもまぁ、社会繁栄のために…って思うけど、「いけたなら」でif感があるのと、もうみんな辛いことしなくてもいいよの世の中なのかな。

映像は心地よく綺麗で満たされる気持ちもあったけどちょいちょい引っかかるものが自分の中では大きいことで気になってしまった。
Ginny

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