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ポトフ 美食家と料理人のLeafのレビュー・感想・評価

ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)
4.0
トラン・アン・ユン、多分2つ目のフランス映画。当初の自分の勝手な想定より数倍良くて、とにかく色々洗練されてた。

19世紀末のフランスの美食家と料理人、正直料理作ってるシーンと食べてるシーンが長いけど、ストーリー的な主軸はこの2人の関係。しかも確実に調理シーンが意味をなしているところが素晴らしい。

当然開幕から怒涛の料理シーン。美しすぎて感動。一品作るまでの工程の多さにめんどくせ〜
と思いつつ調理の丁寧さ、動線含めた動きの洗練さに夢中になる。何回撮り直したのか知らないけど凄すぎる。動く絵画です。多分、尺としても結構長いのにずっと観てて気持ちいい。自然光が多いことで、それだけで時間経過も伝えてくれるのも良い。

作中に出てくる文脈とは少し変わってしまう気もするけど、料理から感情だったり関係だったりが透けて見えて気がするのも良い。やっぱそこカットするよね〜って部分も多いけど、調理シーンからその無い部分の補完がいくらでも出来る。
1箇所、最初から思いついていたのか、あまりに出来すぎた場面転換に少し笑った😂
時代背景はっきりとはわかってないけど、本当に周りの人たちも良い人だったんだろうし、その中で育まれる2人の関係は素敵。

衣装やアートディレクションはかつて監督作で主演を飾った彼の奥さん。なんか良いです。そもそも過去作でのこの奥さんを綺麗に撮ろうとする意思が強すぎて最高だったしね。

青いパパイヤの香りの時から思ってたけど、これを綺麗に撮るんだって決めたものをちゃんと綺麗に撮る技術が凄すぎて、名匠の冠がピッタリだなと。まだ観てない作品もあるので少しずつ鑑賞していきたい。
もちろん、ラストも好き。
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