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落下の解剖学のLeafのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

2023年パルムドール受賞作品、アカデミー賞各所にもノミネート。毎年勝手に受賞作予想してるので発表前に鑑賞。

とはいえ、そもそもそこまで興味は無かったのだけど、周りの本能的に内容が純粋なサスペンス、スリラー寄りではなさそう?との感じから鑑賞。
確かにその通りで、事件が実際どうなのかということより、軸足は完全に別に置いていたように思う。自分が言うまでもなく脚本も良くて、優等生な作品だと思う。

旦那の落下は事故か自殺か他殺か?
正直最後まで確たるものはほとんどなくて、言いたいことは全部あのお世話役の女性と男の子が言ってくれました。答えがないものに対して、自分でどう考えて、どう納得するのか。
誰かがやってるからとかじゃなくて、大体のことは最終的には自分で決めなきゃあかんと思う今日この頃。

作中の当事者以外の人たち同様、状況だけ与えられて次から次に情報(主観多め)が出てくるので、気持ちが揺さぶられる。
あと究極的には映像としての情報が与えられているだけなのに、言葉として伝聞で聞いただけの場合と、実際の録音音声聞いた時で自分の中の印象が結構変わったあたりがやっぱり怖いなと。(後者は誰視点なのかよくわからない再現Vみたいなのの力もかなり強かったから気をつけないとだけど...)

最初、個人的には裁判の結果出さなくても良くない?と思ったけど、その後の虚無感あるシーン観せられて、やりたかったのはこれかと。うまい。
これが当事者と外から極論一種のエンターテインメントとして消費している我々との圧倒的差。

物理的にも比喩的にも、とにかく"犬"使い方が秀逸でした。あと観終えて改めて、タイトルや良き。真実はわからない、ただこうなって良かったなと思える未来でありますように。
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