落下の解剖学のHALのネタバレレビュー・内容・結末

白黒つける裁判モノかと思っていたらとんでもなかった。フランス映画界が裁判モノを撮ったらこういう話になるという見本みたいな映画。それは夫婦の生々しい落下の歴史。結婚したことのある人だったら誰でもうなづける”結婚生活落下の歴史”

　わかりやすく言うと”夫婦のいざこざ”の歴史。お互いの不満を何回もぶつけ合うと「こうなるかも」という家族間のいざこざ。見につまされること大有りの映画かも。
裁判モノが大好きな私としては誰が真犯人かということになるのだが映画は明らかな答えを出していない。観客が勝手に決めてくださいというパターン。

可能性A、真犯人は妻か・・最も怪しいが最も怪しくない感じを醸し出してる。しかし、友人を弁護士につけるところが最も怪しい。しかも過去に恋人だった男。

可能性B、真犯人は身障者の息子か・・最も怪しくないが証言が途中でひっくり返るところが最も怪しい。つまり、自分ではないが母親がヤッたことを知ってるのかも・・・

可能性C、夫の自殺か、映画としてはこの雰囲気で終わる。しかし、自殺はあり得ないという証言もあり、観客としては最も信じられない。

可能性D、ワンコが真犯人を知っているのかも。この映画にはボーダーコリーの愛犬が出演しているが、この愛犬の眼差しが何かを知ってる眼差し。言い方を変えると演技がうまい。息子に懐いてると思っていた愛犬がラストにはなんと母親のそばに来る。

でも、この映画の何よりの見どころは今まで見たこともないような夫婦間バトルのシーン。
ノーカットでお互いが喋りまくるところは圧巻！ある意味役者の演技の見せどころ。長セリフ覚えるの大変だったろうな・・・なので妻役の女優はアカデミー女優賞にノミネートされてる。当たり前といえば当たり前。
もちろん、アカデミー作品賞だってありえるかも。ハリウッドはこういう映画が好きだから。

でも、裁判モノ映画大好きの者としては真犯人が知りたかった・・・ヒントでもいいから教えて欲しかった・・不満たらたら。なので４.0超えず。