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落下の解剖学のskm818のレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.8
ちょっと長くて前半けっこう寝てしまった。基本的には亡くなった男性は果たして妻に殺されたのか否かってことを延々とやってて、法廷シーンが多くセリフも多い。エキサイトした検察と弁護士がしょーもない言い合いになり、裁判長にたしなめられるお約束面白かった。これ今どきの映画だなあと思うのは、妻がドイツ人、夫がフランス人なので英語で話してるとか、第一発見者の息子は視覚障害者なんだがそれが特に進行の妨げになることがないとか、妻の浮気相手は女性とか、妻が家事だの育児だのを全部自分にさせていると夫が文句を言って妻が殴るとか、そういうことにいちいち驚いたりバイアスかけたりする人が誰もいないことなんだよね。そんなこと関係なく何が起きていたのか事実はどうかってことのみで裁判は進んでいく。それはあなたの主観ですよね、という言葉が何度も出てくる。夫婦仲がどうだったとかなぜこのときにこうしたのかとか、その辺他人にわかることではないんよな。犬のアスピリン騒動だってさ、説明をきくとなるほどと思うし、最後の書斎のベッドで寝ようとする主人公のところに当然のように犬が寄り添うのを見ると、ああそうだったんだろうなと思える。偶然の積み重なりということも確かにあるんだよね。
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