鑑賞後に舞う雪さえも愛おしくなる
アキ・ウスマキ映画の威力、恐るべし。
決して裕福ではなくて生きるのために日々を過ごす等身大の主人公2人に、なぜか想いを寄せてしまうのです。
自分らしくが足枷になったり。
自分勝手と自由の境目とか。
ふとした時に起こる出会いに対する気付きとか。
その登場人物それぞれの切なさや孤独や悲しさ、小さな幸せや日常全てが鑑賞する私達の胸に静かに刻まれるのは、やはりあの演出だからなんだと改めて感じました。
トーベの時とは全く違うアルマ・ポウスティの凄さたるや。
ラストに唯一出る「演技」。
最高でした！
今のヘルシンキの2人の現状は、日本でも決して他人事ではないとも思います。
ラジオのニュースやふとした台詞含め、監督のさりげないメッセージが重かったです。
この等身大で生きる2人だって、世界で起こる悲劇に胸を痛め、他人を思い遣り、日々を送っている。
監督の好きな日本は、徐々にそれが欠けてきた気がするよ。。
