広島カップ

乱れるの広島カップのレビュー・感想・評価

乱れる(1964年製作の映画)
3.9
酒屋の長男坊の元に嫁いで直ぐに夫を戦争で亡くし、一人で酒屋を支えた真面目で働き者の嫁(高峰秀子)。
平穏に暮らしていた彼女だが義理の弟(加山雄三)に愛を告白されたことを境に転落人生に堕ちていく……

こんな風に書いてしまうと、
“真昼の未亡人、背徳の逃避行-乱れる-“
みたいなズブドロ愛欲劇か?と誤解されてしまうかも知れません。
“大石先生“にそんなことを期待してしまう御仁には申し訳ありませんが、まさかまさかそんなことはありません。

真面目に築いてきた自分の人生と、男に愛されることによる歓びを自分の中でどう折り合いをつけるのかで苦悶する女。

義理の弟との間にはからずも芽生えてしまった、愛する人にキスすらも自らに許さぬ身を焦がすような愛。
高峰秀子の渾身の演技が胸に迫ります。
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