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仮面ライダー555(ファイズ) 20th パラダイス・リゲインドのスワットのレビュー・感想・評価

3.4
2024年 劇場鑑賞17本目
2003年にてTVドラマシリーズにて放映されていた平成仮面ライダー4作目の『仮面ライダー555』の正統続編となった本作。
監督・脚本・キャスト共に20年振りに再結成され、最終話から20年経った乾匠達を描いており、ファン感涙必須⁉︎。

自分にとっても思い入れもあり、今でも平成仮面ライダーNo.1作品と信じてやみませんし、また続編が観れるだけでありがたいと思うほどの痛いファンではあります。
この作品が作られるまでに、木場勇治役の泉政行さんの早逝、啓太郎役の溝呂木賢さんの引退と様々な要因もありましたが、概ねキャストは20年前のままに、そこに新しいキャストも交えながら描かれています。

贔屓目有の感想になると、令和仮面ライダー的にブラッシュアップ(戦闘シーンとか)されながらも、元々のファイズの良さは随所に残されており、大満足。
大人になった仮面ライダー555を見せてもらいました。半田健人さんはレトロ方面に進んだ事から、声もダンディに立ち姿もセクシーになられており、芳賀優里亜さんの美貌は昔のままに、村上幸平さんは顔芸に磨きがかかっていました笑
唐橋さんや藤田さんも本当に昔のままですね。この映画を観ている時は自分も気分は小学生の頃に戻っていた様に思います。
新しく追加された啓太郎の甥、条太郎もいいアクセントになっており足枷にはなっていません。
後、心配していた新ライダー、仮面ライダーミューズを演じる福田ルミカさんが素晴らしかった。
ライダーデザインはもちろんですが、キャラ造形も平成アニメキャラを思わせるコテコテのヤンデレタイプで匠が羨ましい限りです。ミューズを掘り下げる話作って欲しいくらいですね。
死に方も多少のゴア描写があって癖に刺さりました。

贔屓目無し、ファン心理を度外視すると様々な気になる点や粗が気になる作品ではありますが、1番残念だったのは真里がオルフェノクになってしまった事…
これは自分の中では結構致命的。真里はやはり最後まで人間であって欲しかった。本編ではやはり人間とオルフェノクの共生が1つのテーマのはず。匠と真里はその象徴、架け橋の様な関係性のままでいないと20年前の本編をちゃぶ台返ししちゃわないか?と疑念に苛まられました。
『パラダイス・ロスト』の様にパラレルな世界なら全然有りなのですが、続編となるとね〜って感じですね。

また今回、明確に匠と真里が男女の関係性を今後築いていく事が終盤に分かりますが、ここも好き嫌い分かれそうですね。
自分的にはしょうがない進化と感じますが、20年前の恋人関係でもない、でも友人関係だけという訳でもないどこか気持ちの悪い、付かず離れず、一緒に成ることが運命付けられた関係性が大好きだったのでもうそれは思い出の中になってしまったのだなぁとエモい気持ちになってしまいました。
やはり啓太郎の存在というのが大きかったのかもしれません。

それでもラストのバトルシークエンスや随所に入れてくる小ネタ(やっぱり嫁はオートバジン!とか)もファンをとにかく楽しませたい、喜ばせたいという熱量が感じられる作品になっていた事に感激です。
もう一度本編を最初から観てみようと思います。
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