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グランツーリスモのbossのレビュー・感想・評価

グランツーリスモ(2023年製作の映画)
4.6
『第9地区』『エリジウム』『チャッピー』のニール・ブロムカンプ最新作。
めちゃくちゃアガったし、めちゃくちゃ面白かった。

【あらすじ】
日本産大人気ドライビングゲーム「グランツーリスモ」をこよなく愛し、トップゲーマーでもあるヤン・マーデンボロー。家族に蔑まれながらもゲームに明け暮れるヤンに、ある日ビッグチャンスが訪れる。それはグランツーリスモのトッププレイヤーたちを、本物の国際カーレースに出場させる育成プログラム「GTアカデミー」の企画発表だった。選抜大会で挑戦権を見事勝ち取ったヤンは、世界中から集められたグランツーリスモのトップゲーマーと共にリアルレースの世界へ足を踏み入れるが…

ゲーマーからプロレーサーになるという実話サクセスストーリーがまず凄い。中盤に起こるとある出来事も本当なのもビックリ。これは映画化されるわと思った。
ゲーマー育成企画は2011年頃の話らしいけど、全然知らなかった。

レビューでもちらほら挙げられているが、本作のストーリー(脚本)は非常にシンプルかつ無駄な肉付きが一切なく、近作の『トップガンマーベリック』に似たような観賞後感がある。
まるでレースカーと戦闘機を入れ替えただけかのような、分かりやすいストーリー展開とVFXを活かした"マシンバトル"による白熱した画。まさに万人が楽しめるアトラクション映画に仕上がっていたと思う。

とっつきにくいカーレースのルールや試合状況も、ゲーム原作だからこそ安易になってない、意味のある分かりやすい順位表示で見せる演出で魅せていて本当に上手いなと思った。

あと、淡々と話が進む本作のサクセスストーリーにしっかり重み、深みを含ませていたデヴィット・ハーパーが最高に素晴らしかった。

メカニカルなSF映画ばかり撮ってきたSFマニアなニール・ブロムカンプ監督。あまりにニッチな才能になかなか次作映画が撮れなかったらしいんだけど、今作であえてSF要素を抜いて、俺は人間ドラマも撮れるぞ!アピールしたらしい。
いやこれアピール大成功でしょ??

劇中の日本描写もハリウッド映画にしてはしっかりリスペクトある描写になっているし、とにかく万人に超オススメしたい一作。
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