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瞳をとじてのHKのレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
3.6
寡作の映画監督ビクトル・エリセのデビュー作から50年ぶりの3作目。
約3時間の作品と聞いて躊躇したものの、同監督の作品は過去の2作品とも好きだったので事前に水分摂取を控えて劇場鑑賞を決行。結果一度もトイレに行かずセーフ!

冒頭から見入ってしまう独特の静けさと映像美の劇中劇。
今回の主人公は映画監督であり、エリセ自信なんでしょう。
未完の映画というのも前作『エル・スール』とも重なります。
主役ではないものの、過去2作と同じく少女も出てきます。
そして、『ミツバチのささやき』では5歳だった57歳のアナも。よくみるとたしかにアナです。

『ミツバチ~』にも『エル・スール』にも映画が出てきましたが、本作はもう主人公が映画監督ですから映画に関するネタもいろいろ。
たくさんのフィルム缶や閉鎖された映画館や古い映写機。
ギターを弾きながら『リオ・ブラボー』の挿入歌「ライフルと愛馬」を唄うシーンはとても楽しそうでした。
エリセ監督と西部劇の組合せはちょっと意外でしたが嬉しくなりました。

ただ、過去の2作品はどちらも90分かそこらで、本作はその倍の長さがあったわけですが、インパクトは過去作ほど感じられませんでした。
それでも本作はエリセ監督の映画好きが最も現れた作品だと思うし、いちばん親しみの持てた映画でした。

あ、フィルマを始めてから観た映画の本数が1234本と連番。
じゃあ、いつか12345本の連番も・・・ちょっとムリですね。
HK

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