元祖FPS『DOOM』を実写映画化した、ドウェインジョンソン主演のアクション映画。
火星基地にデーモンが襲来してきたので特殊部隊が調査するぞというお約束なストーリー。
まず最初に言っておこう。
本作はゲームを原作した映画最大の失敗作だ。
FPS主観のアクションシーンなど所々に光る箇所はあるけれど、作品の根幹となる部分で大きな間違いを犯している。
最小限までに削ぎ落とされたストーリーと設定、複雑なステージ構成、デーモンの群れ、過激なゴア表現とデカい銃、そして"一人で大量の敵を倒す"、ただそれだけの破壊性が『DOOM』最大の良さであるのに対して、本作はゲームには全く描かれてない特殊部隊による人間模様が物語の大半を占めており、原作無視に原作無視を重ねた結果、"DOOMらしさ"が全く無い陳腐なB級映画が出来上がったのである。
ロック様がデカい銃構えてデーモン倒しまくればそれで良かったのに！
なんでそのようなデザインになったのかというと、本作は初代『DOOM』のリブート作『DOOM3』をベースにしているのが大きい。
本作が公開された00年代初頭のFPS市場は『DOOM』のような大量の敵を倒す爽快感に特化したアクション系FPSが飽和状態だったのと同時に、『Half-Life』のようなドラマ性に富んだ没入感の強いリアル系FPSが主流になりつつあったので、開発元のidソフトウェアは『DOOM3』を暗く陰湿なホラーテイスト強めのゲームにへと路線変更させたのだが、上手くいく筈もなく、中盤での地獄ステージを除いて変化の乏しいステージが延々と続くという単調な作品に仕上がった。
『DOOM3』も本作も"何か新しいことをやってみよう"という意思は感じるが、それが最悪の形で世に出てしまったのである。
では、この映画は全くの無駄だったのかというと実はそうでもなく、何が悪いのか、何が"DOOM"を"DOOM"たらしめているのかを徹底的に取捨選択したその末に、2016年にGOTYを獲得した傑作アクションFPS『DOOM2016』が生み出されることになる。
『DOOM』『DOOM2』に原点回帰した破壊的なゲームデザイン。
『DOOM3』『映画版DOOM』からは閉鎖的な火星基地や一部のデーモンのビジュアル、FPS主観シーンの高揚感など光る箇所が引き継がれ、リアルなゴア表現は刺激的なトドメ技"グローリーキル"という形で復活した。
この映画がなかったら"何が悪かったのか"を考えることはできなかった筈なので、本作はidソフトウェアにとってある意味で重要な作品だったのではないかと考えている。
さて、ここからは個人的な話。
僕は数年前にその『DOOM2016』に凄くハマっていて、FPSは好きだけどマルチプレイは大嫌いな自分にとって、"大群の敵を倒す"コンセプトの本作はオアシスみたいな存在だった。
中でも特に熱狂したのが、ステージごとのスコアで競い合うアーケードモード。
敵を連続で倒し続けると得点の倍率を上げられ、更に特殊な倒し方で貰える勲章を敵に攻撃を当て続けて連鎖させスコアを競うという面白いシステムなのだが、
ある時、誰かが自分のデコイに向かって攻撃を当てても敵に攻撃したと判断され連鎖が続くという仕様を見つけて、それまでステージのムーブごとに終わってた勲章の連鎖が最初から最後まで続けられるなんてことが可能になった。
その時の数値が凄くてさ！
今までやってたのと3倍くらい点差が開いちゃうの！
（その他にもただ単に敵を倒すのではなく、敵をスタンさせ、3点バーストでHSする事で勲章を一気に3つ貰うというテクニックもある）
そのプレイ動画を最初に観た時は（はー、すげえなあ、僕には無理だわ）と思っていたけど、いつの間にかその領域に挑むようになってて、気づいたら7時間だけスコアが世界1位なんてことがあった。
もうね、そうなってくると脳汁ドバドバ。
あの時の緊張感と達成感は半端なものではなかった。
下のリンクはその時のプレイ動画です。
当時は不用意にジャンプする癖があったので酔いに注意してみて下さいね。
（※グロ注意）
https://youtu.be/fsQXjscpGKU
https://youtu.be/63G86mf99m8
https://youtu.be/ippNf73Shas
よくここまでやれたもんだ。
【おまけ】
FPS主観シーンなどその他もろもろ。
DOOMとは何かを感じてもらえたら嬉しいです。
https://youtu.be/-Jf-E7oEguU
https://youtu.be/RO90omga8D4
https://youtu.be/RhjtJIHe_v0
https://youtu.be/f8aU4MYDsOQ
https://youtu.be/5a9E3n_VZRQ
