コブヘイ

犯罪都市 NO WAY OUTのコブヘイのレビュー・感想・評価

犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)
5.0
またまた帰ってきたマブリー豪腕刑事! 巨体に似合わぬ華麗なボクシングアクションが素晴らしい、ど真ん中刑事アクション!

大人気犯罪都市シリーズ第三弾。早くも4作目が出来ており、8作目まで構想があるそうで、MCU(マドンソク・シネマテック・ユニバース)という言葉もできたそうな。

とは言え3作目でマンネリ化を考慮したのか、広域犯罪課に部署が変わり周りのメンバーは総入れ替え。
別に考慮しなくても良いと思うし、馴染みの顔が見えないのは寂しいものの、マブリーを中心に上司をいじりながら部下とワチャワチャするチームワークの良さと楽しさは変わらず。 もちろん真実の部屋も健在。

今回の事件は麻薬事件。日本のヤクザが絡んでいて、敵が二倍に。
マブリーが培われた観察眼や抜群の行動力、そして筋肉を生かした聞き込みによりどんどん捜査を進める中、麻薬犯側ではヤクザからピンハネしていた事実がバレて日本から刺客が送られて三つ巴になる展開。

今回の主犯は汚職警官。
前作で突き抜けた凶暴さと陰湿さが減った分、追う/追われるサスペンスが増量して個人的にはとても見やすい印象。
犯人側がギリギリの所を綱渡りしている一方で、小粋なギャグが隙あらば入る刑事側のシーンのおかげで緊張感の緩急がより効いていて実に良い塩梅。

とにかく観客を喜ばそうとしてくれる正しきアクション映画の本作。
カーアクションもタイムサスペンスも盛り込んだ安定の幕の内弁当。
そんな中でやはり、腕を振れば人が飛び、気絶するマブリーアクションの安定感たるや。
前回までは投げも使っていた格闘アクションを、今回はボクシングアクションに集中。ワンパンは勿論、コンビネーションも見せて華麗さとテクニカルさを両立。
やはりあの巨大が軽々と動き、素早いパンチを繰り出す蝶のように舞い蜂のように刺すボクシングアクションが実に良い!
これぞ唯一無二のマブリーアクション!!
今後も下手にテコンドーやカンフーアクションを入れないでいてほしい。

今回はクライマックス前にこれまでにない危険状況にマブリーが陥るサプライズを提供。
青木崇高さん演じる日本ヤクザのリクは日本刀の達人。狭い部屋で長物を振り回すのはやや気になるが、韓国バイオレンスは長ドスが基本だから差別化する判断かな。
そんな少量のモヤモヤは日本刀にも怯まず拳で対応するマブリーを見て消失。

このリクとの決戦バトルを経た上で、最後の汚職刑事とのタイマンバトルに行く流れが見事。体格含めて明らかに見劣るラスボスとの戦いに、体力をかなり使い果たしてハンデを背負った弱り目のマブリーが最後の力と愚痴をこぼしながら環境を使った実に泥臭いが最高に盛り上がる格闘アクションを楽しませてくれます。

いつもの通り、デカい背中を見せて去るマブリーから今回は次回に続くエンディングのおまけまで用意。 こうなったらスタッフロールにNGシーン集を入れてほしいとも願う、マブリーが詰まった実に素敵なアクションエンターテインメント作品でした!
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