試写会&トークショーありがとうございました
結婚はただの制度にすぎない
明日の自分がどうなっているのかも分からないのに永遠の愛を誓うのは無責任の極み
自分のことすら嫌いになるのに一人の人間だけを一生愛する方が不自然
結婚は互いに決めた選択でしかないから他人がとやかく言うことではない
だから不倫なんて言わずもがな
そもそも倫理なんて時代や社会でいくらでも変化する程度のもなのだから
自分の価値観や当事者間の合意の方が大事
結婚も不倫も二人の関係性に言葉を与えただけ
一般常識や世間など関係なくどこまでも個人の話
そこにあるのは人と人のみ
正解などないのだから第三者から見たら壊滅的状況でも二人が決めること
個人的には文則の言動の全てが気持ち悪すぎて絶対に関わってはいけない存在
終始気持ち悪いのでだんだん面白くなり『とりあえず謝ろうか』のセリフには思わず笑ってしまった
映画を映像表現として観ているので自宅内の廊下で手前にくの字の文則で奥に反り腰の綿子がいてXになっている構図が面白かった
外国のアート映画で意図的にそういう面白い配置をするのが好き
今作は試写会ではスクエアに近いアスペクト比だったので、主人公の閉塞感を強調したのだろう
話し手の顔や姿を映さない演出や主体を中央からずらした構図など映像で表現する演出があって良かった
綿子の家のお洒落だが冷たい感じも夫婦関係を暗示して効果的
特に窓の外に見える下品なネオンが近くてデザイナーマンションでも高層階ではないところが文則っぽい
人を小馬鹿にした不愉快な話し方でまともに稼げるとは思えないのでおそらくインテリヤクザもどきだろう
あれだけ可愛げのないタチの悪い役を演じた田村さんは素晴らしいが映画としてはアクが強すぎて綿子が幸せになる絵が浮かばない
古舘さんは2シーンだけなのにいつものようにしっかりと不気味でつかめない別の映画に見えるくらいの佇まいで良かった
基本的に音楽の少ない作りだったので、逆に曲を使う時が気になってしまった
染谷さんと黒木さんは贅沢な使い方だった