PaoloSorrentino

葬送のカーネーションのPaoloSorrentinoのレビュー・感想・評価

葬送のカーネーション(2022年製作の映画)
2.7
試写会にて鑑賞
ありがとうございました

前日の夜に父が死にました

普通なら試写会をキャンセルするが、これまでも普通でない生き方をしてきたので、誰にどう思われようと参加しました

ほぼ一睡もせず、やるべきことをしっかりとやって鑑賞したが、結果的にずっと睡魔に引きずり回され、あちらとこちらを何度も行き来

作年末は新宿武蔵野館の上映作を連日観て、何度もこの映画の予告を目にし、必ず観ると決めていた作品

まさかこんな状態で観ることになるとは想像していなかった

父の死んだ21時間後に葬送の試写という皮肉な偶然に、これも映画を信じてきた自分の運命かと

トルコ映画もロード・ムービーも寓話もセリフのない映画も説明のない余白の大きい映画も小津映画も大好き

それでも寝る時は寝る
寝ても好きな映画も良い映画もたくさんある

ただ余りに寝すぎて評価不能
これは映画ではなく自分の問題

それでも印象的だったのは、
オープニングロールの時に銃声のような爆発音が何度かして、徐々に映像が流れると婚礼のパレードの祝祭の音のようでもある演出

祖父が少女を呼ぶ声の温度

少女と祖父の瞳

人々の終わることないしょうもない会話の数々

ラストのオープニングへの幻想的円環

パンフレットを戴いたのは初めてです
本当にありがとうございます
すべての試写会で同じ様に対応頂けると嬉しいです

私だけだと思いますが、観た記憶のないショットがどれも美しく、幻想的だったり、神秘的だったり、物悲しかったり、とても見応えのある写真や絵画のようだったので、もう一度観る時が楽しみです

父を想う時、必ず付いてくる、生涯忘れようのない映画となりました
PaoloSorrentino

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