試写会にて鑑賞
三島監督の身体が万全でない中でのティーチインありがとうございました
観賞後に三島監督の実体験を基に自主映画からスタートとして知り、この作品がどれだけ特別な想いでつくられたか理解できた
表現者には表現しなければ生きていけないものがある
どんなに苦しくても作品に昇華しなけれ前に進めない
映画は最も自由な総合芸術であり、様々な可能性と役割がある
1000人を楽しませる映画よりも、一人の心に深く刻まれる映画の方が好きだ
三島監督には、美しく凛とした佇まいで、穏やかに丁寧に応える奥に、必死に踠き生きる人を、心から美しく想い、愛し、救いたい、という情熱を感じる
今作は、音や構図やカメラワークなどヨーロッパのアート映画のような空気もありながら、大島渚監督の『新宿泥棒日記』のような転調や戯曲性や一人芝居のようなアングラ性もある
説明を極力排した上質な芸術性の高いお洒落な映画とも違い、ドラマのような分かり易い娯楽作とも違い、映像表現にチャレンジした監督の独りよがりの実験映画とも違う
野暮ったくてダサくても、決して消えない傷を持った当事者として、言葉にならならない想いを抱えて生きていく姿を撮ることが、自分だけでなく、同じような境遇の人たちにも何らかの力になると信じて、様々なリスクを負う覚悟でつくったのだろう
細かいことで色々と気になることはあるが、先ずはその想いをしっかりと受けとめたい
雪を踏みしめる音で始まり、前田さんのリフレインする毎に力強くなる歌声で終わる
暗く静かな劇場で観るべき映画
残念ながら、『息子の部屋』も三島監督の過去作も拝見していないが、これからは必ず劇場で観たい監督になった