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哀れなるものたちのSevenWintersのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

ストーリーは細部まで予想できたかどうかはおいといて粗筋どおり、皆さんが書いておられる通りの印象。
ダンカンの、遊んで捨てるつもりだったくせに女が自我を持つと途端に束縛、だらしなく追いすがる身勝手さ。

最後、ヤギはブラフで実はゴッドと交換か?と思ったけどそうはならなくてヤギのままでしたね。消化器官がヤギと違うから食べる物には注意が必要になりそう。

特筆すべきは映像の美しさ。さすがグリーナウェイの影響を公言するだけある。
そしてOPやチャプタータイトルやEDのタイポグラフィーは同時期に大活躍していてZOOの双子のモデルでもあったブラザーズ・クエイの数々の作品におけるタイポグラフィーを彷彿とさせられました。

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原作を読了しての追記。

くっそぅ、くっそ!
我々はすっかりヨルゴス そしてもちろん原作者にたばかられていた!
すっかり手のひらで踊らされていたのだ。

もしかしたらヨルゴスも初めて原作を読んだとき同じ気持ちになったのかもしれない。映画をみて原作を読むこと、これは自らの驚きとともにヨルゴスの感想の追体験なのかもしれない。

そして、映画・原作ともにそれぞれ独立して怪作・奇書なのだけれども映画があることによって原作から受ける衝撃が単に原作を読んだだけの状態よりも高まるという不思議な効果。

映画をみて一定の満足をした上で原作を読む、私たちは一体何をみていたんだろう?、今、何を読んだ?というまるで顔をよこつらから殴られたような衝撃。
読み通す気力のある人は是非原作も。

原作を後で鑑賞者が読むことを考えてこういう作りにしたのなら点数は4.8つけてもいい。
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