かえるのエリー

哀れなるものたちのかえるのエリーのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
5.0
「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」を観に行った時に、本作が大々的にポップアップされていて、本能が一目惚れ。監督の過去作2つを観てから満を持してレイトショーへ。

うわぁ〜ぶっ飛んでる! 大好きだぁぁぁ!!





以下ネタバレ感想





エマ・ストーンを初めて観たのは「アメイジング・スパイダーマン」で、随分老けた高校生連れてきたなと思った。あの明るいグウェン役=メジャーストリームから、本作ベラ役を受けるような女優になるとは、当時は想像もしなかった。エロスを絡めた女性版ピノキオで、主人公ベラの成長を熱演。ヨルゴス監督の長編では2作連続なので「女王陛下の」ならぬ「監督のお気に入り」になったのかな。

ベラの巨大に膨らんだパフスリーブは好奇心でパンパン。性への目覚めが脳の成長に対して随分早い気がしたが、監督から見たらオッパイ大好き中学生なんて人生で測れば赤ちゃんみたいなもんってことなのか。そんな「熱烈ジャンプ」(笑)しか興味がなかったベラが、老婦人との出会いで読書を知り、ぐんぐん知識を吸収。気づけばガニ股歩きでは無くなり、世の中を俯瞰して見るようになっていた。

「聖なる鹿殺し」の冒頭ほどではないが、こちらも脳みそ入れ替え作戦が行われているため、グロはあり。魚眼レンズが多用されているのもあり、人によっては具合が悪くなってもおかしくない。ただ、そんなグロさを圧倒的に美しいセットで包んでいるのだから、心を奪われずにいられない。古い時代設定のようでロープウェイがある不思議。ロケ地とCGを併用した美術は眼福でずっと見ていたい。

男性陣の衣装は割とスタンダードな時代物。一方でベラの衣装は、色柄こそ様々あれど、基本は巨大なパフスリーブに短丈の上衣&Aラインのミニスカートで、これが彼女のコケティッシュさを存分に表していて良き。

やっている事は人体実験なので、倫理観として受け入れ難い人もいるだろうし、間違いなく観る人を選ぶ作品ではある。BGMも独特だしね。私はチム(ティム・バートン)大好き人間なので、この手のは大好物。しかも顔面継ぎはぎのウィレム・デフォーと惨めなマーク・ラファロまで拝めるんだから、ここで星5つけなきゃどこにつけるんだ!ってことよ(笑)



【追記 2024/02/12】
後から予告編など見て知ったけど、あれって巨大なセットだったのね!!!
もぅ〜変態!いい!



【追記 2024/02/21】
昔は映画鑑賞とパンフレット購入は必ずセットだったが、子供部屋を作って私の部屋が無くなったのもあり、漫画はkindle、パンフは買うのをやめた。しかし本作は余韻冷めやらず、鬼太郎観たついでにパンフレット購入。隅々まで読んでみる。
映画配給さん、パンフの電子書籍化、いかがでしょう?