ぴよまろ

アステロイド・シティのぴよまろのレビュー・感想・評価

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)
3.6
ウェス・アンダーソン脚本監督作品。
アメリカの砂漠にある小さな街で、科学賞受賞に招待された子どもたちのその家族が集まるが、授賞式の最中に宇宙人が到来する物語、を劇中劇として描いた作品。

安定のウェス・アンダーソン映像と台詞回しな作品。対象的な画面とパステルカラーな色味が今回は特に際立っていたように思いました。無味乾燥な砂漠の街にあのポップなカラーは見ているだけでなんだか幸せになります。(”一週間後”に一気に観光地化されたシーンは笑う)

前作「フレンチ・ディスパッチ〜」も結構な飛び道具でしたが、本作もなかなか斬新な作品。アステロイド・シティという演劇部分とその舞台裏とが交錯しながら進み、最後にその壁を越えた主人公オーギーが自分を見つめ直し、再び演劇の世界へと戻っていくという仕掛け。妻の死後、子どもたちや義父との距離感を計りかねていたオーギーが、その答えを見つけるのがまさか舞台裏とは。

観ているだけで楽しくなる画面とトリッキーな物語の安定のウェス作品でした。
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