ヨルゴス・ランティモス監督が好きな自分としては正直物足りない作品だった。
子供の脳を移植されたベラの成長過程や思考の発展の仕方が、あらすじを聞いたときに自分が想像したものを超えてこなくて、平凡なストーリーというか、話の枠組みが制限された作品という印象を抱いてしまった。
あとランティモス監督らしい気持ち悪さが全体的に足りない気がした。画面全体にひしひしと溢れる不気味さや、些細なことがきっかけで登場人物たちのパワーバランスが少しずつ変化していく不協和音が好きなのだが、それが本作は抑え目だったように思う。
エマ・ストーンの体を張った演技は圧巻。脇を固めるウィレム・デフォーとマーク・ラファロも素晴らしかった。