寿司

ファースト・カウの寿司のレビュー・感想・評価

ファースト・カウ(2019年製作の映画)
4.2
アメリカの西部開拓時代を舞台に、パン屋とホテルの開業を目指す孤独なコックと、大金を稼ぐことを狙う中国人の友情を描いた作品。主人公の2人は各々の夢を叶えるべく、発展途上のオレゴンに初めてやってきた村長の牛の乳を盗んでビジネスを始めるが…という筋書き。
静かなタッチ・ゆっくりとしたカメラワークの中に、「これぞ人間」と思わせるような人間の感情の微妙な変化が丁寧に描かれていて唸らされた。特に危ない橋を渡るクッキーとキング・ルーの危機感のバランスが、時と場合によって微妙に変化していくのがとてもスリリングで、かつ論理性に欠ける欲張りな人間の本質を突いていて面白かった。この作品の鍵となる動物は牛だが、人間を的確に描いた良作だと思う。
あとは個人的にはアメリカン・ニューシネマのような作風も好きだった。
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