とにかく映像は美しい。特に室内のシーンは小綺麗さの中にどこか寂寥感が漂っていて、荒廃した未来がひしひしと感じられるので好きだった。
個人的に作品のテーマには納得がいっていない。前作では人間が生命をコントロールしようとすること、いわば神になることに対する警鐘があり、その先に生命の尊さをテーマとして物語が描かれていたと思う。しかし本作は生命の尊さは引き続き描かれているものの、その前提にあるレプリカントを作り続ける人間の行動の是非にあまり焦点が当てられていない気がして、前作のような問題意識に欠けている気がする。