HAL

哀れなるものたちのHALのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0
今年のアカデミー賞作品賞候補の一つを見る。
前半と後半で映画の見方が根本的に変わってくるすごい映画。みんなが書いてるように確かに想像以上にエログロ満載だが、ナンセンスではない。前半ではゲテモノ的な映画に感じてしまうが後半ではむしろ人間愛にまで昇華させてゆくところは演出の妙と言わざるを得ない。監督賞確実か。

とにかく、エマ・ストーンの体当たりの演技が光る。前半は子供のような目つきだが後半ではちゃんとした大人の目つきに変わるところが見どころの一つ。さらに日本でもボカシなしというのがすごい。ハリウッドの有名女優がスッポンポンに脱いでるのだからある意味前代未聞。

ゼロから作り上げたという美術セットもすごい。端から端まで歩くと30分はかかるというからどんだけお金かけてるのかがわかる。ベラが見た世界がまるでおとぎ話のように美しく登場する。特にリスボンの町並みや船の形など目を見張るものがいくつもある。美術セットを見るだけでもこの映画を観る価値があると言ってもいい。
サントラも音を外したような異色の音楽だ。

上映時間も142分と長めだがベラの人間的成長を描くには必要な時間だと思う。

今回、トーホーシネマズ西新井で鑑賞。館内はガラガラなのにパンフは売り切れ。なんで?→その後トーホーシネマズ日比谷でやっと購入。
HAL

HAL