サッカーと映画観るのがすき

哀れなるものたちのサッカーと映画観るのがすきのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.5
なんだコレは!?
モノクロのクラシカルな映像と童話絵本のようなカラフルな映像美。これでもかってくらい繰り返されるエログロシーンと哲学的に真理をついてくる難解な会話。死者蘇生の禁忌から始まるオカルト的モンスターの物語でありながら、フェミニズム的自由と人権獲得の物語でもあるし、風刺的なブラックコメディーでもある。

で、結論「もの凄く面白かった。」
いろいろと多面的なストーリーと多彩な演出がてんこ盛りなのだが、全てをまるっと成立させているのは、何と言ってもエマ・ストーンだろうな。身体はまったくかわらないのに、幼児から大人に成長していく過程を表情と動き、セリフで見事に表現している。惜しげもなく魅せつける性的描写を含め、圧巻の演技でございます。これはオスカー主演女優賞きそうですな!

個人的には、天才型の破滅的なロッカーが大好物でして、ベラが成長するにしたがって、型にハマらず誰に媚びることもなく自らの本能のまま行動するその生き様に惚れこんでしまった。あと船上で出会ったおばさまと黒人紳士も知的で素敵だった。
それと、個人的にデ・ニーロ主演の「フランケンシュタイン」がすごく印象に残っていて、いろいろとオマージュというか影響・関係性を感じる設定や演出が多々あったのも感慨深かったな。

これは早くも今年のマイベスト級!
(3月にオッペンハイマー観たら変わるかもだけどwww)