シャトニーニ

女王陛下の007のシャトニーニのレビュー・感想・評価

女王陛下の007(1969年製作の映画)
2.5
シリーズ第6作、ボンドが引退&結婚!?衝撃の本作。
「普通の中年男に戻らせていただきます」とワルサーPPKを置いてステージを去る姿が思い浮かびます、もう常に人殺しや危険がつきまとうスパイとかやってらんないですよ


主役はジョージ・レーゼンビーにバトンタッチ、秘書マネーペニーまで「違う!」とメタなツッコミ。次代のジェームズボンドへと代わったかと思えば、生前007マニアだった僕の父曰く"大根役者"で嫌いなボンドだったレーゼンビー。実際みてみると、確かにコネリーよりはうっすい。遠目でみれば美男子ですがスパイとしての説得力があまり無い、家庭的で温厚なボンドって感じしますね。
圧倒的シニカルでハードボイルドが求められる歴代ボンドの中では演技控えめで少しセリフも多すぎるし、演出のせいでしょうか「ホームドラマのお父さん役がたまたまボンド役をやらされてる」感が少しあって。体格やアクションは申し分ないですが。。。

今作ではなんとボンドが結婚、学者に成りすましてスイスへ。女性だらけのロッジに缶詰めでモテモテ√へ。何等分の花嫁だこれ?

オープニングに前作「〜二度死ぬ」のニンジャがなぜか使われ思い出し笑いしたのも束の間
海での格闘や初のスキーアクションもあって、疾走感あるボンドも見られます。ぶっちゃけ早回しやモンタージュが上手い。レーゼンビー貴様、さてはスピードタイプだな!?

今作のヴィランはなんとブロフェルドその人。シリーズ通して敵の大ボスだったのが、キザだし若い子を口説くしなんかすげー小物になっちゃった感。ボンドとボブスレーチェイスなんかやっちゃって楽しそう(笑)緊張感あふれるBGMさえなければマリオカートみたいな感覚でした。

本作は駄作とか失敗作といわれてますけど、それでも個人的にこの終わり方は美しい。。。
花びらのように割れたガラス、そして心

秘密諜報員に休らぎなど無いのだ。