ほーりー

女王陛下の007のほーりーのレビュー・感想・評価

女王陛下の007(1969年製作の映画)
3.5
ウインタースポーツの時期にぴったりな映画。

スキーアクションあり、ボブスレーあり、カーチェイスあり(これは冬に関係ないけど)の007シリーズの第六作目。

初代ボンドであるショーン・コネリーが降板し、モデル出身のジョージ・レーゼンビーが2代目ボンドを演じた作品であり、そして、007シリーズの中でも最も異色の作品のひとつでもあります。

最初この映画を観たのは、民放の深夜にやってた吹替版で、その際、130分ある映画を40分弱ぐらいカットしていたから筋が全くわかんなくて、うわ……つまんねぇと思ってしまった。

何しろ開始20分ぐらいで、アルプスにある敵のアジトに乗り込むシーンになるぐらい端折られていたから、ずいぶん無茶な編集です(苦笑)

今回の敵は、ボンドの宿敵ブロフェルド。前作「007は二度死ぬ」に引き続いての登場。

前作はドナルド・プレゼンスが演じていたが、本作は「刑事コジャック」でおなじみのテリー・サバラスが演じている。

プレゼンスのような不気味さはないものの、自らスキー板履いてボンドを追跡するなど、サバラス版ブロフェルドは武闘派という感じ。

今回改めて観て感じたのが、アクションシーンのカット割りが多い点。

ここ最近(といっても20年くらい)のアクション映画の編集みたいで、この時代にこういう映画があったんだと、ちょっと新鮮に感じた。

ラスト近く、マネーペニーがボンドの帽子を持って涙ぐむシーンが印象的で、娯楽映画の王道であるこのシリーズにしては、珍しくしっかりとしたドラマになっている。

ただ、やっぱり申し訳ないんだけど、レーゼンビーの演技は固すぎて、ラストシーンも泣きたくても泣けないというのが正直な感想。

あれがちゃんとしたキャリアのある役者さんが演じてたら、また違った印象になったと思う。

■映画DATA==========================
監督:ピーター・ハント
脚本:ウォルフ・マンキーウィッツ/リチャード・メイボーム
製作:ハリー・サルツマン/アルバート・R・ブロッコリ
音楽:ジョン・バリー
撮影:マイケル・リード
公開: 1969年12月18日(英)/1969年12月27日(日)
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