スワット

ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズのスワットのレビュー・感想・評価

3.3
2024年 劇場鑑賞18本目 字幕鑑賞
原作ゲームはプレイ済み。
2014年にスコット・カーソンがsteamをプラットフォームで発売した同名ホラーゲームを題材に、みんな大好きブラムハウスが制作・実写化した本作品。
監督にはエマ・タミ(ほぼ初監督作品?ですかね)、脚本にはスコット・カーソンも一部噛んでいそうな布陣となってます。
主人公のマイクは『ハンガーゲーム』等のジョシュ・ハッチャーソン。

ブラムハウスが構想10年掛けて制作されたとされる本作。ってことは発売されてからすぐに注目してるって⁉︎…流石ブラムハウス…。同作ゲームが長くシリーズ化されている事から着眼点、先見の明がすごい…
公開前からも結構話題になった印象だったので、ハードルは高く設定していました。

うーむ…期待とは違う仕上がりにはなっていましたが、つまらないで片付けるのは惜しい!
序盤は完璧だったと思います。まず始まりから2Dドット絵のイントロダクションを見せてくれ、今回の気合いの入り方を感じますし、ゲームと映画のハイブリッド的な映像体験。
人間ドラマも程々に、ゲーム内での1つの特徴である電話越しの男。映画内では仕事紹介人として上手くアレンジされており、変に明るく不気味なトーンが映像としても伝わってきて、ワクワクします。警備シーンもゲーム内の午前12時から午前6時までの限定されたロケーションをよく再現しており、2日目の夜を終えた際、マイクの手が怪我していると分かるシーンとか3日目、4日目はもちろん、最終日なんてどうなっちゃうの〜って興奮気味でした。

ところが中盤、妹のアビーがアニマトロニクス達と遭遇するシーンにて一変します。
というか、アビーが3日目の夜に同行するとなった瞬間から嫌な予感はプンプンしていました笑
ここから色々な要素をパンパンに詰め込んできます。アビーがフレディ達(幽霊)と仲良くなる点は同制作の傑作ホラー『ブラックフォン』。マイクの心理的トラウマを克服する為に夢の中で問題解決に努めるとこはもろに『インセプション』。
椅子に拘束され、凶器が迫るシーンは『SAW』シリーズを思わせたりともう大変。
これが良い方向へ作用すれば良かったのですが、フレディ達の良さを相殺してしまっています。
ここからは人間ドラマパートも多く、夜の緊張感もほぼないです。
というか昼間のシーンが多いですね。フレディ達の着ぐるみ感やCG感が粗っぽく見えてしまい、怖さも半減。
けれどジャンプスケアに頼り過ぎていないところは好感持てました。バルーン人形ぐらいでしか使われていなかった様に思います。
個人的にフォクシーの明暗を使い分けて襲撃するシーンは原作の襲撃に近い表現でリスペクトを感じました。
ただ最終日のはちゃめちゃの息も尽くせぬ攻防を見たかったな〜というのが本音なのは変わりませんが…

元々スコット・カーソン自体もこのゲームに深みを与えており、明確な答えを出していません。その為、発売当時は考察Wikiが乱立していましたし、プレイヤー独自の解釈をも楽しむのがこの作品の醍醐味と自身は思っています。
なので今回のマイクのトラウマ要素や大オチのヴァネッサの身辺関係はファンムービーとしての矜持としては及第点ではと感じました。
既に続編も製作決定している様です。2ではあのキャラも?みたいな事も期待しています。

余談ですが、『バナナ・スプリッツ・ホラー』(2019年公開)や『ウィリーズ・ワンダーランド』(2021年公開)と対比しての意見が散見されますが、これは全くの逆でこの2作品が原作ゲーム『Five Nights at Freddy's』にインスパイアされて製作されています。ですので、この2作品と比べるのはナンセンスかなと思います。
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