ギズモX

ザ・クリエイター/創造者のギズモXのレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
4.8
今年最後のレビューはこれ!

ギャレスエドワーズ監督の近未来SF映画。
《AIが核爆発を引き起こした近未来。
AI廃絶を謳うアメリカとAIを受け入れるニューアジアとの両者間で激しい戦争が続く中、米軍特殊部隊の主人公は、人類を滅ぼす危険性のある兵器工場の潜入先で少女型のAIに出会い、彼女の創造主を探すためにニューアジアを駆け回っていく》

今年見た映画の中で一番(良かったな)と思えた作品。
でも、話的にも設定的にも穴が多いのに、なんでこれが一番良かったのか、それが自分でもよく分からない。
多分、本作の作風に昔の映画の懐かしさを感じたからだと思う。

90年代までのSFアクション映画ってシリアスよりもお遊び要素が強かったじゃないですか。
物語が多少ポンコツだったとしても、ケレン味さえあればOKな緩さがあった。
『フィフスエレメント』とか『ネメシス』とか。
映画制作の予算がインフレしてる今となっては、そういうクリエイティブな映画が作られにくくなったのに対して、比較的低予算で制作された本作は、あの頃のSFアクション映画を今の技術でやったらこうなりますよという系譜をひしひしと感じたんですよね。

世界観とストーリーが絶妙だったな。
アジアが一括りにされてたり、大昔に建てられた寺院の柱にロボットの像が刻まれているとか、(なんか世界観凄く間違えてない?)とアメリカナイズな描写に違和感を感じたけど、緑豊かな大地の中にA Iが混在しているという、現在を発展させた社会描写がとても綺麗だった。
でも一番素晴らしいのは主演のジョンデヴィッドワシントンの演技。
彼が演じるとストーリーに深みが増す。
本当に最高の俳優だと思う。
ラストは得体の知れない温かみを感じた。

今年の映画ベスト10はこんな感じでした。
①ザ・クリエイター/創造主
②キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン
③そして光ありき
④バービー
⑤アラビアンナイト 三千年の願い
⑥クライムズ・オブ・ザ・フューチャー
⑦オオカミ狩り
⑧マルチバース・アルマゲドン
⑨コンサート・フォー・ジョージ
⑩シン・ちむどんどん

今年は鑑賞してもどうレビューしていいか迷うことが多かった。
でも映画を見るのは好きだし、諦めずに続けていきたいと思う。
レビューを読んで下さった皆様、今年もありがとうございました。
良いお年を。
ギズモX

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