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忘れられない年、夏のCisaraghiのレビュー・感想・評価

忘れられない年、夏(2023年製作の映画)
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Amazon Studioブラジル4部作、3作目の「夏」は、リオ!カーニバル!サンバ!ボサノバ!という最もメジャーで華やかなイメージのブラジル登場。

どちらかというと貧困だの犯罪だの政治的スキャンダルだの、ネガティブな部分で注目することが多かったこの国、映画もこのシリーズの他にはスラムを舞台にした映画しか観たことがなかったように思う。しかし、何たって情熱的なカーニバルの国ブラジル、キラキラした熱くて暑いハッピーなラブコメ(というほどラブがメインではない)が似合わないはずがない!という訳で陽光燦々と降り注ぐリオと小さな町ミランチーニョを舞台に、キレイなもの、派手なものが盛り沢山に登場する見た目にとっても楽しいお祭り映画だった。登場人物たちもみんなキラキラ輝いていて個性的、人種もイロイロ、もちろんサンバやボサノバのブラジル音楽も聴けて耳にも楽しくてくつろげる♪カカの歌 good job!

冬編と同じくどこかドリュー·バリモア似の主人公イニャ、ノーと言われても全然めげずに自分を売り込んで押しまくる押しの強さすごい。自分の能力に自信を持っている=自分の能力をメタ的に評価しているのはとてもいいと思う。イムシワン似のお兄ちゃんタビーニョ、カーニバル大好きおばあちゃん、ブラジルのビヨンセみたいなケイリニャ·ケロケーロ、ジョッカ、タチ、カカ、みんなとてもいい顔をしていた。タチ母もオタヴィオもハッピーエンド。ブラジル人ならではのイケメン・ギマ(リンダ笑)は、最後の身の振り方が少々気になるが…。

露出度の高い印象があるリオのカーニバルの衣裳だけど、この映画ではそこまで際どい露出はなく、歌われているような女の子のお尻も映らなかった。普段から露出多めな女の子たちのファッションは、セクシィというよりキュートでガーリーで溌剌としてて、若さと健康美!ってカンジ。ちなみに、リオデジャネイロの気候は、蒸し暑い夏と寒くない冬、年間通して気温はさほど変動せず、雨季と乾季がはっきりしているサバナ気候に属するらしい。道理でトロピカルな都市の魅力に溢れているワケである。

マドゥレイラの町について歌われていたのは“Meu Lugar”
カカの歌は、“Portela Feminina”。



(以下、カーニバルについてのmemo)
映画の中で幾度となく使われていたポルテーラやマンゲーラという言葉、サンバの歌詞で聞いたことはあるけれど、何だかよくわかっていなかったのでこの際調べてみた。カーニバルの全容は、あまりに規模が大きすぎて同時多発的で複雑で理解しにくいのだが、とりあえずポルテーラとマンゲーラは、リオの三大サンバ·スクール(サンバグループのこと)のうちの二つだということはわかった。サンバ·スクール同士が優勝を目指して街をパレードし、点数を競い合うシステムらしい。ポルテーラは、その中での最多優勝を誇るサンバスクールだとのこと。ブロッコというのは、サンバ·スクールによる競技としての大々的なパレードではなく、地域ごとに催される小規模なパレードのことのようだ、合っていれば。
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