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野球どアホウ未亡人のおむぼのレビュー・感想・評価

野球どアホウ未亡人(2023年製作の映画)
3.9
 野球のゲシュタルト崩壊が確実に起こる。
ずっと荒唐無稽であることへの説得力が強いボケがほぼ間延びすることなく続いて、とてもくだらなくて良かった。
水島新司イズムだったり、梶原一騎イズムというか『巨人の星』のパロディが話に盛り込まれているのも適切なマッチングだと思う。

 草野球監督の重野が全ての支配者で、ねずみ講のようにツッコミ役が不在となっていくのが本当に気持ち良い。
そうなると、服や喋り方といったパッと見の要素だけでおもしろくなり、個人的には別に触れられてない無駄に大仰な草野球チーム名がじわじわきている。
チームと言ったが、よく考えたらその前提すら破綻しているぐらい無茶苦茶だ。

 画的には野球応援用の真っ赤なメガホンを望遠鏡のように覗き込んで夏子を凝視している時の、スクリーンに映る重野の目以外が真っ赤に覆われているのが狂っていて妙に引き込まれて良かった。
『1984年』のビッグ・ブラザーっぽいな。
でも、書いてて思ったけどメガホンを望遠鏡のように覗き込むって、なんの意味も無い行動過ぎて笑った。
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