ゆう

甘い人生のゆうのレビュー・感想・評価

甘い人生(2005年製作の映画)
4.5
韓国映画の面白さを教えてくれた人と同時視聴にて鑑賞。

クールで頭の切れるソヌは、裏社会で絶大な力を持つボスから厚い信頼を得ていた。彼のボスは、若い愛人に別の男がいると疑い、ソヌに彼女を監視させ、もし裏切りを見つけた場合は、彼女を殺すか、自分に連絡するよう命じる。愛人の監視を続けるうち、彼女の不思議な魅力に知らず知らず惹かれていくが、ある日ヒスと男との情事の現場を押さえたソヌは、ボスの命令に反して、思いがけず事実を隠蔽しようとしてしまう。

イ・ビョンホンのせつない目がとても印象的。モテないイ・ビョンホンなんて、信じられないけれど、作中でのイ・ビョンホンは、見事にモテないソヌを演じきっている。
彼がモテないからこそ、彼のボスも愛人の監視を頼むくらいなのだ。
ソヌに悪気は全くない。しかも、ボスから愛人を奪うつもりも全く、ない。ただ、一緒に過ごすうちに、彼女に少しだけ惹かれてしまった。ただそれだけなのに。
理不尽、ただひたすら、理不尽。
長年仕えたボスからの執拗な仕打ち。
最初は理由すらわからなかった。しかし、その理由がわかった時の彼の絶望あふれる表情には、グッとくる。
なんで、なんで、なんで…。そう思いながら、こちらも観てしまう。

どうしてこうなった…

ソヌのこの想いが、とてもよく伝わってくる。ソヌは強い。強いがゆえに、自分の「なぜ」という思いを、外に出してゆく。
ボスが仕掛けた奴らを次から次へと倒していき、最後は…。

ラスト、彼が微笑みながらシャドーボクシングをする姿は、こうなることを知らず、まだまだ未来を生きられると思っていた彼の姿であると解釈。
その姿を見ると、余計にせつない。

シンプルな話でありながら、あっという間の2時間。要素を詰め込みすぎないからこそ、引き込まれる映画になっているように思った。
後日、もう一回観よう。
ゆう

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