まず絶対映画館で観る事を薦めます。
独占配信ものだから観るのに少し面倒くさいというのもあるが、「最後の決闘裁判」に引き続き暗い画面で細かいディテールを見せてくる映画なので、テレビのように環境が明るかったり画面が反射する媒体だと、かなり見づらいと思う。と言いつつ、4時間あるというディレクターズカットは配信で観るしかないので、私は頭を抱えているわけですが。
とにかく、この映画は圧倒的な大スペクタクルがこれでもかと見せてくる。
アウステルリッツの戦いとワーテルローの戦いに代表される戦争シーンは、一体どんな金と技術の使い方をしたらこんな事が可能なのかと終始度肝を抜かされた。しかもちゃんと残酷。
あと、ショーやダンス、ミイラ観光など、おまけ要素も多く、個人的に「ハウスオブグッチ」で物足りなかった要素盛り合わせ感を堪能できたのは良かった。ミイラが傾いた時の気まずい感じは笑った。
ただ、そういうアトラクションとしては楽しんだのだが、ナポレオンの伝記ものとして観ると、この映画だけだとあんまり分からない所が多い。筆者は世界史弱者のため、フランス革命までならギリ分かるが、それ以降の王党派がどうこうって話は全然知らなかったため、この映画だけだと歴史の流れとしてどういう状況で今こうなってるのか？みたいな所は、かなりつぎはぎであまり分からなかった。
全体にナポレオンの戦争功績とジョセフィーヌとの恋愛だけで構成されたような映画のため、ナポレオンという人物について知るという意味では、別途調べるか別の映画で補完する必要はあるなぁと思った。今作はナポレオン個人をフォーカスした話としてはかなり薄味。
面白い映画ではありましたが、このほぼ戦闘と恋愛、文通で構成されてる感じは人によっては退屈しそうだなぁと思いました。私も少しダルいなぁって所があったので、そこは是非とも一度観て自分と合うかを試してみるのも良いと思います。合わなくても、損した気分には全然させない映画なので、是非。
