ブラッド・ピット演じる死神ジョー・ブラックが、死期が近づいている実業家の富豪のもとに訪れるところからはじまる物語。
人間界に興味を持ち、富豪の老人が最期を迎えるその時まで束の間の仕事のパートナーとして生活をともにし、人間社会のルールやマナー、仕組みを学んでいく。
ジョーは人間界についての深い知識や人間の感情などに疎いために、たどたどしさや初々しさなどぎこちない雰囲気を演じるブラピがとにかく可愛い。
その富豪の娘と禁断の愛を育んでいくのが主題だが、とにかくせつない。
ジョーは本来は死神なのだから、
ふたりが恋仲になって深みにハマることは娘の死を意味する。
娘の父親が案じて危惧して警告をする気持ちも痛いほど分かるし、真実を知らないゆえに父親に反発する娘の気持ちもせつない。
せつないほどに美しくはかない。
その微細な心情の演技合戦も見応えがあります。
父親の経営する大企業を
意のままに動かそうとする娘婿に対しての
策が見事で観ている私まで爽快に。
死神と富豪の奇妙な関係、
死神と富豪の娘との関係。
話が進むにつれ
せつなさといとおしさが増して、
ラストに繋がる別れの場面は号泣。
分かってはいてもせつなくて。
そこからラストへ一気に流れ込み、
冒頭のエピソードと繋がるサプライズも見事です。
おとなのためのファンタジー。