ピロシキ

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディのピロシキのレビュー・感想・評価

4.6
邦題。置いてけぼりのホリディ。ちょっと待ってイが小さい…イが小さィ…

中盤からロードムービーになる構成も、音楽も、ところどころ同監督『ネブラスカ』を彷彿させる。ネブラスカ大好きな自分にとっては、無条件で最&高と褒めちぎりたくなってしまう。一つの家族が繋がりを取り戻すのが『ネブラスカ』なら、『ホールドオーバーズ』は孤独を抱える人たちが擬似的に家族のような関係で繋がっていくお話。冬休みに帰省せず学校に居残りを食らう3人は、いるはずの家族から大事にされない子ども、大事な家族を失った女、そして、家族のない男。

人間関係の構築とはつまり、お互いの共通点を探すプロセス。初めはぶつかり合っていた彼らが徐々に互いを理解し認めていくのも、青年が実父とのつながりを何とか保とうと奮闘するのも、全ては「共通点を見つける」という過程によるもの。そのために必要なのは、同じ時間を過ごし、同じ話題について話し、同じ悩みを分かち合うこと。『置いてけぼりのホリディ』は、そのプロセスを丁寧に見せてくれる。だからわかりやすく感動できる。

と同時に、物語の舞台はベトナム戦争のさなか、1970年。「未来のある若者たちを戦地に送るとは何事か」というメッセージは、2020年代であっても今日的に響く。アジア人の描き方にオイ!と叫びたい部分はあったけど、助演女優賞がウェイトレス様にかます"Bitch."に脳天ブチ抜かれてオールOK🙆‍♂️傑作です
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