突然封鎖された病院に閉じ込められた人々が、パンデミックによるウイルス感染に怯えながらも自分自身と向き合っていく、実話ベースの物語。
いつもの日常を過ごしながら、突然降りかかる異常事態に、静かに混乱やパニックが浸透していく。
突然の事態に、この病院に入院している患者たちや、働く者たちの正しいと思う事ができない混乱や葛藤する気持ちも分かる気がする。
閉鎖された空間でパンデミックが起こると疑心暗鬼になるだろうし、感染者のいる病棟へお弁当を配りにいく場面はこの描写の通り、真っ暗闇の中を恐怖で模索していくようで、自分も感染してしまうのではないかという恐怖がとても伝わってきた。
感染者を看病しようと義務を果たす者、感染者を治療したくないと異議をとなえる者、考え方は人それぞれで、混乱していく現場の描写は自分も感染するかもしれない恐怖で満たされていた。
この作品は感染源を突き止めようとする医者と記者の目線で伝えるが、止まらない医療現場の崩壊や、どうする事もできない事態の中に少しの希望を描いたヒューマンドラマでもあった。