deenity

知りすぎていた男のdeenityのレビュー・感想・評価

知りすぎていた男(1956年製作の映画)
3.5
ヒッチコック作品は毎回楽しみにしてますが、噂や人から勧められたのを耳にして、特に楽しみにしていた作品。非常にヒッチコックらしさが溢れる作品だったと思います。

まず兎に角言っておきたいのは『ケ・セラ・セラ』がいい!個人的に馴染みのある好きなメロディーでもありますが、劇中で流れた時はテンションが上がりました。ヒッチコックが途中でこの曲を持ってきておいて、そのまま放置するはずがありません。肝心な部分での再登場に、「なるほど、そこで繋がったか」と相変わらず楽しませてくれます。

サスペンス作品なのでどこに山を持ってくるかがポイントになり、ヒッチコックはそのための伏線を遺憾なく張り巡らせます。どこでどうなるのかがわかっていながら緊張感を保ち、それでいてさらに盛り上げるのに成功した本作の終盤はその辺りが完璧です。脚本はもちろん、カメラワークも然り、音楽も然り、畳みかけがオーソドックスながら非凡でした。

自分の息子が誘拐され、味方が二人しかいない状況でどうやってエンディングに持っていくか。オチもいいです。ヒッチらしい微笑ましくもお洒落な落とし所は大好きです。

年内はこれで最後にしようと思います。拙いレビューでしたが今年も読んでくださりありがとうございました。来年もよろしくお願いします!
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