なお

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のなおのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

原作者の浅野いにお氏と本作にて声優を務めたあのちゃんが先日、フジテレビ系「酒のツマミになる話」で本作の宣伝をしていて、つい気になり鑑賞。

同名の原作はビッグコミックスピリッツにて2014年~2022年まで連載。
突如地球に襲来した謎の円盤を巡る、ある少女たちの「日常」をシニカルに、ブラックに、そしてハイテンションに描いていく。

✏️仕方ないなぁ~デベ子ちゃんは
原作は未読。
「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」などという、口にするのもキーボードやスマホで入力するのも一苦労な漫画の存在自体初めて知った。
(ちなみに原作を知っている友人は「デデデデ」と略して呼んでいた)

私たちがよく知る東京都を舞台にしたリアリティあふれる世界観の中で繰り広げられる、女子高生4人の「日常」、そしてその日常を静かに侵食していく「異常」。
日本の漫画作品って、ホントこういう「コミカルさに潜む恐怖」を描くのがうまいと思う。

JK4人の微笑ましい姿を描いていたと思ったら一転、急転直下の鬱展開が待ち受けているモンだから心臓に悪い。

何より引き込まれるのは、物語途中にて突如挟まれる二人(おんたんと門出)の過去。
「過去の二人」と「今の二人」は、まるで全くの別人のよう。
何がどうして「今」に繋がったのだろうか?

二人が邂逅した「侵略者」がもたらした道具の存在により、どんどん壊れていく門出。
「私が世界を変えるんだ」このセリフ、本当に怖い。

本作で誰かが言っていたが、「自分が正しいと思っている人」が一番タチが悪い。
自分が"悪"だと気づいていない最もドス黒い"悪"───
これはとある漫画のとある登場人物のセリフの引用だが、まさにその通りだ。

結局壊れに壊れた門出は自死という道を選ぶ。それを救おうと手を伸ばすおんたん。
しかし目を覚ますとそこにはいつもの日常が目の前にあって…
どこからどこまでが「現実」で「空想」なのか?
本作は既に「後章」の公開が予定されているが、これ以上のクリフハンガーもそうないだろう。

人類滅亡まであと半年。
いや、続編まであと2ヶ月。待ち遠しい。

☑️まとめ
物語とは直接関係ないが、令和のトレンドを引っ張る二人のインフルエンサー・幾田りらとあのちゃんが主人公二人に見事"憑依"。

二人にしか出せない独特の声質で、唯一無二の門出とおんたんというキャラクターを引き出すことに成功していたのも、本作の評価を押し上げた要因の一つだと思う。

また先ほどの友人の話によると、劇場版アニメと原作ではクライマックスの展開が異なるとのこと。
…俄然気になってきたじゃあないか。

あまり漫画を読まなくなって久しいけれど、漫画と映画で異なるクライマックスを比較してみるのもまた一興かもしれない。
てか、浅野先生って「ソラニン」描いてた方だったのね…

<余談>
本作でデベ子の声を吹き込んでいたのはTARAKOさんでしたね…
つい先日、突然の訃報にとても驚きました。

日曜夜、そしてケーズデンキのCMといえばまる子ちゃんの声、つまりTARAKOさんの声であり、もうあの声が聞けないのか…と思うとデベ子のセリフひとつひとつもなんだかいつも以上に心に沁みる感じがしました。

ご冥福をお祈りします。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★★
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★★☆
📖物 語:★★★★☆
🏃‍♂️テンポ:★★★★☆

🎬2024年鑑賞数:24(12)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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