このレビューはネタバレを含みます
「ハリー・ポッター」シリーズ第5作。
子どものころに見ていたハリポタシリーズは『炎のゴブレット』までなので、ここから先は未知の領域。
悪の権化・ヴォルデモート復活を皆に知らせるハリーだが、「またまたご冗談をw」とまともに取り合ってもらえないどころか、民衆の不安を煽ったとして扇動の罪をかけられてしまう。
新しくホグワーツに赴任したアンブリッジが掲げる「教育改革」もさらにハリーたちの身と心を縛り、物語はさらに混迷を極めていく…
✏️思い出が人を強くする
全体的なストーリーは若干拙速気味で、尺が足りてない感じ。
というのも本作はシリーズ最短である『死の秘宝 PART2』に次ぐ短さ(138分)で、かつ原作から大幅に削られたシーンが多い。
そんなもんで、何か場面が転換するたび若干の「飛び飛び感」が感じられ、見る順番間違えたか?と一度上映を止めてシリーズの時系列を見直してしまうほどだった。
本作におけるヴィラン(といっても魔法省側の人間なので悪人ではない)のひとり、アンブリッジを襲う結末も「ケンタウロスに連れ去られてジ・エンド」となんだか地味。
でもねでもね、魔法バトルの演出に関しては100点満点。過去作の中で一番良かった。
ハリーたちですら自らの身を守るので精一杯といった感じの、攻撃魔法と防御魔法の応酬。
我々一般人からしたら、それこそ「悟空の戦いを傍から観戦しているヤムチャ」のようなもので、何が起きているのかまるで分からない。
でもとにかくスゴい戦いが行われているんだろう…ということだけは分かる。
そんな目と心を奪われる魔法バトルシーンは必見。
てかダンブルドア先生めっちゃ強いね。
そして本作のキーワード、「思い出が人を強くする」。
ハリーがヴォルデモートに心を乗っ取られそうになる中、『賢者の石』からのハリーの記憶が走馬灯のように押し寄せるシーンはちょっと、いやかなりグッときた。
単なる「記憶」とは違って、「思い出」って豊かな感情を持つヒトだけに備わった特殊な能力なんじゃないかなぁ。
そのことを思い出すだけで勇気が湧いたり、笑いが込み上げてきたり、涙を流したりできる。
ハリーたちを結ぶ「思い出」そして「絆」の力は、ヴォルデモートの闇の力を持ってしても容易に破れるものではない。
☑️まとめ
物語自体は高い点数とはならなかったけど、迫力ある魔法バトルの演出と、これまでシリーズを追いかけてきたファンたちの思い出をもかき立てる演出は高評価。
「何が似ているかではない、何が違うか」。
守るべきものがあるハリーたちの戦いは、次作『謎のプリンス』へと続く。
<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★★
🥲感 動:★★★★☆
📖物 語:★★★☆☆
🏃♂️テンポ:★★★☆☆
🎬2024年鑑賞数:19(8)
※カッコ内は劇場鑑賞数