なお

ハリー・ポッターと謎のプリンスのなおのレビュー・感想・評価

4.2
「ハリー・ポッター」シリーズ第6作。
ホグワーツ魔法学校の6年生となったハリーが、史上最悪の魔法使い・ヴォルデモートとの戦いに備え、彼の過去と弱点に迫る1年を描く。

✏️ビター&スイート
前作からさらに陰鬱とした雰囲気、そしてダークファンタジーとしての作風は色濃くなり、ハリーとヴォルデモートを巡る因縁とその物語はさらに混迷を極める。

徐々に明らかになるヴォルデモート(=トム・リドル)の過去。
そしてその過去をハリーに見せたのは、他でもないダンブルドア。

ダンブルドアも、もしかしたら己に迫る死期、そしてこの世界を救えるのはハリーしかいないことを悟り、ハリーに自分が知る全ての知恵と知識を託そうとしていたのかもしれないな…と、本作を見終えてそう感じた。

『炎のゴブレット』あたりから顕著な流れだが、善悪の区別なく人が亡くなっていく。
それくらい物語は切羽詰まり、クライマックスに近づいているということだろう。
本作においても「まさか、あの人が…!」と衝撃を受けた方は少なくないはず。

そんな"ビター"な物語とは対照的な3人───ハリー、ハーマイオニー、ロンの恋の行方。

いやはやなんとも切なくて甘酸っぱい。
普段恋愛映画にはトキめかない自分でも心の臓がぎゅぅ~と締め付けられる思いでしたね…

互いに心のどこかで想い合ってるのに成就しないハーマイオニーとロンのもどかしさ。

ハリーも冒頭は駅のコーヒーショップの女の子が気になってたみたいだけど、その後学園に戻ってロンの妹・ジニーとくっついたり、目まぐるしく変わるティーンエイジャーの恋愛模様は30超えたオッサンの自分には眩しすぎますわ。
(ハリーはルーナ・ラブグッドともお似合いな感じだったけどな…)

☑️まとめ
時に恋にうつつを抜かしつつも、「本業」であるヴォルデモート打倒という共通の目的の元結託する3人。
そこにあるのは恋や友情というものを超えた「使命」。
ハリー、ハーマイオニー、ロン。3人の戦いは次作『死の秘宝』へと続く。

余談だが、本作が公開された2009年は『アバター』や『トランスフォーマー/リベンジ』などビッグタイトルの公開が相次いだ。
当時社会現象にまでなった『アバター』の興行成績を上回ることは叶わなかったが、ハリー・ポッターの本国・イギリスでは、2009年に公開された映画の中では最高のオープニング成績を記録している。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★★
🥲感 動:★★★★☆
📖物 語:★★★★☆
🏃‍♂️テンポ:★★★★☆

🎬2024年鑑賞数:23(11)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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