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落下の解剖学のwoosのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
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ル・シネマ渋谷宮下にて字幕版を鑑賞。
2024年新作劇場鑑賞11作目。
客席は8割くらい。
テーマ「共働き」

[全体として]
何やらカンヌのパルムドールを受賞したとか、アカデミー賞にノミネートされてるとか前評判が高かったので観に行ったが、ミステリー好きにはとても面白い映画だったんじゃないだろうか?でも、ひょっとしたらミステリーに分類される話ではないのかもしれない。
お話的には、舞台はフランスの田舎の山荘でベストセラー作家のサンドラは同じく作家(だけど売れてない)の夫サミュエルと視覚に障害を持つ息子ダニエルと暮らしている。夫婦仲は若干冷めていたが子供を可愛がっている。
ある日ダニエルが犬の散歩から帰ると、サミュエルが血を流して倒れており、急いで駆け寄り母サンドラを呼んだがサミュエルは死亡していた。
状況から考えて、事故の線は薄く、検察は殺人事件として捜査を開始し、サンドラは友人の弁護士ヴァンサンに弁護を依頼した。やはり状況から事故は難しいということで、自殺の線で裁判を戦うことを決めるのだが。。みたいな話

[良かったところ]
おそらく、ミステリものの小説や映画だと、突拍子もないトリックなどはあるが、ある程度結末ははっきり出るものが多いが、このお話はさまざまな事象が複雑に入り組んでいて、一定の結果は出るのだが、それは裁判の結果として結論を出さなければいけない状況のため出された結論であって、「本当のところは結局闇の中」というのが非常にリアリティがあると思った。
裁判によってサンドラという人間のパーソナリティが詳らかに語られていき、知れば知るほどこの人のリアルな考えがわからない。もしくはものすごく短絡的な人のようにも見えるので、ますます本当のところがわからなかった。それだけ演じているザンドラ・ヒュラーが演技巧者なんだろうと思う。

[気になったところ]
長い上に結構心情描写みたいなものを表情から読み取るしかないので、観終わるとすごく疲れる。テンポはそんなに良くない映画だと思った。まあテンポを求められる種類の映画ではないので仕方ないところではあるが。。。

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割と面白かったですが、好みかと言われれば個人的にはそうでもないかもしれません。
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