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ボーはおそれているのwoosのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
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TOHOシネマズ池袋にて字幕版を鑑賞。
2024年新作劇場鑑賞10作目。
客席は7割くらい。
テーマ「かーちゃんこわい」

[全体として]
アリ・アスター監督作品は基本「主人公は初めから詰んでいた」という作家なので、多分今後もそう思ってみたほうがいいんじゃないかと思っている。
お話的には、とても怖がりのおじさんボーはとても治安が悪い街でビクビクしながら暮らしているが、里帰りの日にいろんなトラブルに見舞われながらも予定より大幅に遅れて実家に帰ったが、自分に降りかかる災難の正体を見るみたいな感じの話。
映画評論家の町山智浩さんがラジオで話していた話がとても参考になったのだが、ユダヤ人は
・母親がボス。
・旧約聖書のヨブ紀が重要。
・おかしてはならない戒律が多すぎて、生きてると大体破ってしまうのでその罪悪感に苛まれている。
この辺をベースとして知ってから観ると味わい深いと思う。
ただ、知らなくても楽しめるとは思う。

[良かったところ]
人が見ている夢の話を聞いているような、とにかく狂っている描写が多いし、この映画の全てを解説できる人なんていないんじゃないかと思う。
前半は脅迫性神経症気味の主人公ボーに、ジェットコースターのように起きてほしくないことが起こるので、見ているこっちもとても焦燥感にかられる。
ただ、あまり恐怖感はなくスラップスティックなコメディ感があるので、俯瞰して見ている観客としては笑ってしまう描写も多い。
また、チャプターごとにデザインがかなり異なっていて、それぞれがとても良かった。特に『オオカミの家』の監督が担当したアニメーション箇所なんかおどろおどろしい感じがとても良かった。

[気になったところ]
なんで実家はあんな金持ちなのにボーはあんな家に住んでるのか?とか、あの風呂の上にいたおじさんはなんなの?とか、マジで最後まで謎な部分が多すぎて、この映画についてすごく考えてしまう。
結構後半ダレちゃった印象で、ジェットコースター的に最後まで行ってくれたらなーとは思った。

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今回も非常に楽しめました。
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