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RRのarchのレビュー・感想・評価

RR(2007年製作の映画)
3.0
インド映画の最高到達点みたいな映画であるRRRから1個R引くとジェームズ・べニングの実験映画になります。

題名のRRはRail Roadの頭文字。
列車の往来を延々フィックスで撮影する。その数は43ショット。アメリカ中を旅して大量の映像を残し珠玉の映像を羅列していく。基本的には列車が動くだけだし、特別構図が面白いわけではない。ただその映像に慣れていくと列車が十字に交錯したり、すれ違ったりするシーンが登場すると異様に面白くなったりする。

映画史と列車の歴史的な蜜月については語るまでもないわけで、その意味で凄い映画史初期の感覚を再体験する試みとも思える。違うところと言えばその運ぶものが貨物になっていること。そして当時よりも移動方法が増えて、ネットが世界を繋いだことで、風景が意味するところが変化してしまったこと。そういったことに思いを馳せることが出来る。

風景論的映画なのかもしれない。
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