トロント国際映画祭にて。

クリスティン・スコット・トーマス監督デビュー作。クリスティンの実体験に基づく映画とのこと。
幼少期に父を、少女時代に継父を亡くしている。どちらも英国軍パイロットで事故死。その二人の父に捧げられていた。
母の三度目の結婚に娘三人が集まり、そこで過去の秘密や不満が浮かび上がってくる…という話。
フラッシュバックは手描き風の柔らかいタッチのモノクロアニメで挿入される。

三人の娘がそれぞれ大なり小なり夫婦の問題やキャリアの問題など抱えている。そこに母の再再婚はめでたいやら忙しいやらで。
王道的といえば王道的だったけど、クリスティンがこういう経験をしていたのと、それを自身がアレンジして映画化したのがとても興味深い。

娘役三人はスカーレット・ヨハンソン(軍人)、シエナ・ミラー(女優)、エミリー・ビーチャム(看護師)。シエナ・ミラーが演じるヴィクトリアは女優だがたぶんクリスティンの妹で女優のセレーナに該当しそうだし、クリスティンに相当する役は誰なんだ？と考えた。
フランス人と結婚して子供が3人というのはクリスティンそのものだし、もしかしたらクリスティンが演じるダイアナは、母とクリスティン自身を両方重ねて作り上げたキャラクターなのかもしれない。

しかし、クリスティン・スコット・トーマスは60過ぎても変わらず素敵だった。映る姿がいちいち綺麗だった。自分の一番良いショットを熟知してるんだろうね。