東京国際映画祭学生応援団

愛は銃の東京国際映画祭学生応援団のレビュー・感想・評価

愛は銃(2023年製作の映画)
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第80回ヴェネチア国際映画祭 最優秀新人監督賞受賞
第36回東京国際映画祭 ワールド・フォーカス部門出品

ヴェネチア国際映画祭で最優秀新人監督賞を受賞したリー・ホンチーが主演も務めた作品。

刑務所から釈放された青年が、更生するために仕事を探すが、過去のしがらみに徐々に巻き込まれていく、という物語。

裏社会のしがらみから逃れられない主人公が、北野武監督『キッズ・リターン』の金子賢のようであり、田舎と海の閉鎖的な空間が、主人公の置かれた状況を象徴しているように思えました。

青年の抱える真っ直ぐさと危うさの不安定なバランスの描き方が見事で、主人公が魅力的に感じられました。

海のショットや、花火のショットが非常に美しく、監督の底知れないセンスが窺えました。

これからも多くの賞を受賞するであろう監督のデビュー作を、ぜひ東京国際映画祭で観ていただければと思います。
(学生応援団 わくと)