はる

青春18×2 君へと続く道のはるのレビュー・感想・評価

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)
4.2
とても良かった。
冒頭のジミーのくだりから、清原果耶の過去作のことを思い出しながら観ていたが、観賞後にシュー・グァンハン(許光漢)も時間にまつわる作品に出演していたということを知って、それはもちろん偶然ではないだろうなと。そしてミスチルのことも。
「記憶の旅人」は新曲だったようで、そうなるとあの時2人が聴いていた曲は何だろう。詳しくないので「この曲が」と思いながらエンドクレジットでジンとしていたのだけど笑。まあ、英題のことを知ると、ほぼ確定されるようだ。

なんと言っても、目当てだった清原果耶がまず良くて、役名がアミというのも舞台の場所に相応しい。そして今作では地名によって「ある事柄」が強く意識させられて、というね。そのことを思うと、もしかしたら今作のジャンルが変わるのでは、とも考えたりもした。
また、許光漢の2役のような演じ方が、というか「なんであの18歳の演技を彼は出来るんだ」と言いたくなるほどで、そういうことも含めていろいろと余韻が続いている。

こちらの観客からすれば、台湾パートの描写がやはり印象的で、時代設定や背景で掴みにくいところを、スラダンやミスチル、携帯などのガジェットが補ってくれる。あの原付での2ケツも楽しいし、ちゃんと運転していて、面白い所でユニークな撮影をしているなと感じた。橋の上での引きのところとかもあのまま走っていたのかは気になるが、おそらくそうだろう。台湾の観客にすればベタなのだろうけれど。
終わってみれば不治の病ということになったが、コミュニケーションのこと、掛け違い、秘められた想いなど、王道のラブストーリーが国境を越えたコラボレーションで見事に仕上げられたと思う。誠実さを強く感じるのも感動に繋がっているのではないか。

先行して台湾で公開された際は、興収1位でのスタートだったということで、当地の評価も良いそうだ。またあのレトロな映画館では、どうやら少し遅れたタイミングで、ちょうど今頃上映されているという。それも面白い成り行きだ。

また、中国公開が、当初の5月20日から1日早まったという情報を知って、それほど評価が高いのかなと思っていたら、それこそ「早一天见你(1日でも早く会おう)」の意味があるらしい。
5月20日が当地で「我爱你」にかけた日ということで、その「手前」というのもこの作品に相応しいと言えるかも。
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