志麻凛

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)の志麻凛のレビュー・感想・評価

4.1
新一と蘭「ビッグ・ベン」
海斗と青子「思い出の時計台」
と、幼馴染が相思相愛に色褪せず、思いを傷付けずに残る時計台の存在。それでは、平次と和葉は???


新年度で忙しく、中々Filmarksに手を付けられてなかったのですが、コナンの映画を機に再始動。

まずは先の答えですが、本作はタイトルにもあるように“五稜星(みちしるべ)”がキーになってくるのですが、それは事件だけでなく、恋愛も然り。平次が好きな紅葉が、伊織と巡る、北海道の告白スポット。その始まりが、「札幌時計台」。まさしく、他2カップルと時計台被り。そして、そこから数々訪問し、最後に訪れるのが、函館山。通称、“100万ドルの夜景”が見られる場所。そこで、平次は和葉に…。この点と点、言い換えれば星と星の繋がりが、見事なまでにハマって輝いてました。また、とある理由で、五稜郭から光線が函館山へ向かって発せられ、それも繋がりを感じることが出来ます。

そして、作中とある人物が、「人は“金”に邪な気持ちを持つ」と言うのですが、それと対照的に“100万ドル”の眺望で純粋な想いを馳せるさまが、非常に美しい。

事件にしても、コナンがキッドが中森警部が少年探偵団が、小五郎が青子が〇〇〇〇が。誰1人欠けては解決出来なかった、星空のような道標。まさに、夜景の輝きに等しかったです。

先程から書いてるように、本作のテーマとして、恋愛があるのですが、印象に残った描写を何点か。

1点目は、中森警部が撃たれ、怪盗キッドが目撃し、黒羽快斗として幼馴染である青子(中森警の娘)が傷付くさまを思い描き、悔恨を持つシーン。その時まだ、青子が登場していなかったのですが、しっかりそこにいる存在として引き立てられてました。

2点目は、コナンのことが好きな歩美ちゃんが、「コナンくん!」とスケートボードを投げて渡すところ。今回、事件解決の最後のヒントを何気なく言うのが、歩美ちゃんでした。多分、幼き恋心を象徴することもそうですが、届かないけど頑張る、まるで星に手を伸ばすような恋を魅せていたのではないでしょうか。

今回も純粋にストーリーが面白く、キャラクターの心理も抑えられたので満足。そして1番は、『異次元の狙撃手』での赤井秀一が発した了解に匹敵する、キッドに纏わる衝撃の真実。これは、劇場で刮目して貰いたい!
志麻凛

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