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スーパーの女の一のレビュー・感想・評価

スーパーの女(1996年製作の映画)
3.8
『タンポポ』『お葬式』の伊丹十三監督作品

激安店の出現により営業危機に追いやられたスーパーの専務が、幼なじみのスーパー好きの主婦の協力を得て経営を立て直すまでを描いたコメディ

まだ五本目ですが、今まで観た伊丹十三作品で一番好きかも
まず、スーパーという誰しもが生活に直結する身近で受け入れやすいテーマが良い
途中でカーアクションになったのは思わず笑っちゃったけど

スーパーでの産地偽装や日付偽装、原材料偽装といった不正問題をこのときから既に扱っています

ただなんとなく仕事をしていた従業員達が、スーパーで働くことの充実感や楽しさに気付き、自分の仕事に誇りを持ち始める姿にグッとくる

伊丹十三作品ではお約束の宮本信子ですが、本作でも強くて賢くてキュートで最高の役柄
いつにも増して可愛らしく見えました
お客さんや周りの重鎮にむっとされてもニコニコしているし、やはり愛嬌は最強の武器

綺麗事すぎるようにも思えるし、ちょこちょこくさいセリフではあったけど、それも宮本信子にかかればお手のもの
そんな彼女を真正面に捉え、映画を撮りたいという監督の気持ちがひしひしと伝わってくるから素敵

伊丹十三作品は時代を感じつつも、優しいしクスクス笑えて万人受けするような映画だから幸福感高めで好き😇🙏🏻

それにしても“正直屋”ってめちゃめちゃ良いネーミングセンスだと思う👌🏻

2020 自宅鑑賞 No.344 GEO
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